取引先の会社を訪問する際などに、相手にアポイントメント(面会の約束)をとると思います。
このアポ取りですが、電話でいいのか、メールを送ればいいのか、慣れていないと迷ってしまうかもしれませんね。
マナーがなっていないと訪問する前からマイナス印象になりかねないので、失礼のないようにしたいものです。
そこで今回は、アポ取りのマナーについて基本からおさらいしていきましょう!
Contents
これだけは守ろう、電話でアポ取りする時の基本的なマナー
アポ取りは営業の基本。ここで悪い印象を持たれてしまうと先に話が進みません。
相手に失礼のないように、電話でアポ取りをする際のマナーを確認しておきましょう。
アポ取りの準備
ぶっつけ本場でいきなり電話をかけてはいけません。きちんと心の準備をしてから電話をかけます。
- メモ
- 筆記用具
- 手帳(スケジュール帳)
- 説明する内容、資料
- 提案する候補日
基本はアポ取りをするだけですが、話のすすみ方によっては簡単に提案内容などを説明する必要が出てくることもあります。
電話をかけるタイミング
電話はいつかければ良いでしょうか。
仕事が始まればいつでもいいというわけでもなく、始業時間から間もないと、相手もまだバタバタしていることがありますね。
また、退社時間が近い場合も早く仕事を片付けて帰ろうとしてる時には迷惑になってしまうかもしれません。
当然のことながら、昼休みなど業務時間外に電話をすることは失礼です。時間泥棒にならないように気をつけましょう。
- 午前中なら10〜11時くらい
- 午後なら14〜16時くらい
このくらいの時間なら、スムーズに話が進むでしょう。
また、曜日や時期によっては相手が忙しいこともあります。
相手の仕事のスケジュールなども考慮しながら、電話をかけるといいでしょう。
「もしもし」といわない
意外と知られていないのですが、ビジネス電話で「もしもし」はNGです。
相手が出たら、「わたくし、○○社の佐藤と申します」と最初から名乗るようにします。
ゆっくり話す
人は緊張すると早口になります。電話というのは思いのほか聞き取りにくいので、何を言っているか聞こえづらいと相手にストレスをかけてしまうことに。
- ゆっくりと話す
- はっきりと大きな声で話す
- 一方的に弾丸トークをしない
ということを心がけてください。
何とかアポを取らないと!と焦っていると一方的に話してしまいがちなので、落ち着いてゆっくり話しましょう。
自分から名乗って要件を告げる
これは電話をかける時の基本中の基本ですが、まずは自分の会社名、氏名をしっかり名乗りましょう。
要件はそれからです。
相手に対する気配りを
もし担当者に取り次いでもらえたら、再度挨拶をします。
もし今都合が悪くても、話を聞く気があればまた後でかけ直してくださいとなるかもしれないし、折り返し電話をくれるかもしれません。
ここで一方的に話すのではなく、まず相手に対して気配りをすることで好印象につなげましょう。
敬語を正しく使う
電話をかける際は敬語を間違えないように気をつけましょう。
例えば、
- 田中様はいらっしゃいますか→OK
- 田中様はおられますか→NG
普段当たり前に使ってしまっていて、うっかり間違った敬語を使っていることもあるので注意してくださいね。
手短に話す
アポ取りは会う約束を取り付けるために電話をかけているので、話が長くならないように気をつけて下さい。
- どんな要件なのか
- 何を話したいのか
手短に話して、アポを取りたいのだと言うことを伝えましょう。
相手の都合を優先させつつ、いくつか候補日を挙げる
もし相手が話を聞いてくれるということになったら、まずは相手の都合を優先させます。
ご都合のよろしい日にちはございますか、と聞いて、極力相手に合わせます。
その際、候補日や候補時間をいくつかあげて、相手に選択してもらってください。
最後に復唱する
アポイントメントがとれたら、必ず
「○月○日○時、○曜日の○時にお伺いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。」
と復唱して確認をしてください。
- 日時
- 場所
を確認することは必須です。
また、もし都合が悪くなったら遠慮なくお知らせください、と自分の連絡先を伝えておくとともに、相手の直通電話も確認しておいた方がいいですね。
感謝の言葉を忘れずに
電話を切る前にひと言、「本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました」とお礼を伝えることをお忘れなく。
相手の立場に立って考える
アポを取ることが目的なのに、いきなり自社のサービスなどを語り始めてしまう人もいます。
相手も今仕事中で忙しいのです。
そのことを忘れずに、会って話を聞いてくれたらきっとメリットがあるということは伝えつつも、相手の立場にたって話すことを忘れないでください。
1週間〜10日前には連絡する
電話をするタイミングですが、いきなり「明日時間はありますか」といっても難しいでしょう。
せめて1週間〜10日前くらいには連絡したいいものです。
しかしどうしても近いうちに会いたいという場合は、「大変急なスケジュールで恐縮ですが」とひと言ことわって、日程を提案してください。
折り返し連絡の連絡がない時は
電話をかけたけれど担当者が席を外していてつながらなかった、折り返し電話しますといわれたけれど電話が来ないという場合は、もう一度連絡をしてみましょう。
会議などが入っているという時は、終わる目安を聞いてその時間に連絡してみましょう。
途中で切れてしまったら
万が一、形態から電話をかけている時に切れてしまった、という時は、当然ですがこちらからかけ直しましょう。
確実にアポを取りたいなら携帯電話やスマホからはかけない方が無難です。
アポ取りのマナーを守った電話のかけ方例
それでは実際に、どうやって電話をかければ良いか例文をまとめてみました。
すでに何度かやり取りをしている相手
何度かやり取りをしていて相手のことを知っている場合には、要件が伝えやすいですね。
恐れ入りますが、○○部の田中様はいらっしゃいますか?
(取り次いでもらったら再度挨拶)
田中様、今5分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか。
(要件を伝え)
つきましては、30分ほどでかまいませんので、お時間をいただきたいと思っております。
ご都合はいかがでしょうか?
(アポOKなら)
それでは○月○日○曜日、○時に御社にお伺いさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
基本的なマナーを守って話せば大丈夫です。
初対面、新規顧客の場合
次は、面識のない相手に電話をする場合です。
私、○○株式会社の佐藤と申します。
このたび弊社で△△についての新規サービスを開始することとなりまして、ぜひ御社にご紹介させていただきたいと思ってご連絡いたしました。
ほんの15分ほどの説明になりますが、是非お時間をいただきたく、近日中にご面会いただけないでしょうか。
話をスムーズに進めるために、事前にパンフレットや資料を送っておき、「先日資料をお送りさせていただいたのですが、ご覧頂けたでしょうか」と言ってみるのもいいでしょう。
事前にロールプレイングをすると良い
スムーズに話すためには「慣れ」が必要です。特に、新規顧客に電話をかける時には、相手は「営業電話だ!」と警戒しますから、話を聞いてもらうのにハードルがグンと高くなるわけです。
ですから、好感のもたれる話し方、間合い、声などを研究してスムーズに話せるように、何度もロールプレイングをすることをおすすめします。
せっかく相手が話を聞いてくれる気になっても要点を手短に話せなかったすると、アポ取りの成功率が低くなってしまいます。
自分が「これなら自信を持って話せる!」と思えるまで、何度も練習してみてください。
アポ取りをメールで行う場合のマナー
何度かやり取りをしている相手なら、メールでアポ取りをしてもいいでしょう。
また、新規顧客の開拓にメールでアポ取りをすることもあるとは思いますが、その時も基本的な注意事項は同じです。
件名はわかりやすく
たくさん送られてくるメールの中で埋もれないように、わかりやすいメールの件名にします。
- 面会のお願い/○○社の佐藤です
- ご挨拶のお願い/○○社の佐藤です
- 新規サービスのご提案について/○○社の佐藤です
など、開封しなくても何のメールなのかわかるようにします。
要点をまとめる
冒頭に挨拶文を入れたら本文に入りますが、だらだらと書かないように注意してください。
- 面会したい旨
- 話したい内容の要点
- 日程調整について
これを簡潔に書いてください。
あまり長く書いて読みづらいと、返信するのが面倒になってしまうからです。
後回しにされないように、電話と同じように手短にすることを心がけましょう。
新規顧客は相手に不信感を持たれないようにする
気心が知れている相手ならメールを送っても何とも思われませんが、もし面識のない相手にメールを送る場合は注意が必要です。
いきなり知らない相手からメールが来て、面会に応じる人は少ないです。
ですから、
- なぜメールを送ったのか、その経緯
- 誰から担当者のことを聞いたのか
- 何のためにアポを取りたいのか
ということを簡潔に、かつ、明確に書いて、相手に不信感を持たれないようにしてください。
日時をいくつか提示する
電話と違って、その場で相手の都合を聞くことができません。
「ご都合はいかがですか」と聞いてしまうと、相手がスケジュールを確認して日時を提案しなくてはならなくなります。
ですから、メールでアポ取りをする時は、面会希望日をこちらから提案しましょう。
メールの文例
実際のメールの文面はこのようにしてみてください。
□□株式会社
○○部 田中様
いつもお世話になっております。
○○社の佐藤と申します。
さて、弊社では新しく○○というサービスを開始いたしました。
つきましては田中様にいち早くご紹介させていただきたく、お忙しいところ恐縮ではございますが、30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
<希望日時>
- 3月1日 10時〜12時
- 3月3日 14時〜16時
- 3月5日 終日
もしご都合が悪い場合はどうぞ遠慮なくご都合のよろしい日時をお知らせくださいませ。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
日時は3〜4つ候補を挙げてください。
ここで長々と要件について説明せず、簡潔に書くことが大事です。
顔が見えないからこそのマナー。丁寧な印象を残そう
電話やメールは顔が見えないので、通常よりも丁寧な対応が必要です。
いつもよりワントーン声を高くし、顔が見えないからこそ相手を気遣う気持ちがないと、一方的な電話になってしまいます。
しかしここで丁寧な印象を持ってもらえれば、その後の話もスムーズに行く可能性が高まりますよね。
アポ取りはビジネスの基本中の基本ですから、たかがアポ取りと思わず、何度も練習して自信を持って臨んでください。