「学生時代に力を注いだことは何ですか?」必ずと言っていいほどエントリーシートに書いたり、面接で聞かれるものですが、意味はあるのでしょうか?
この記事では「学生時代に力を注いだこと」を企業側が聞く理由と、面接官の質問に返答ができるような伝え方のコツもご紹介していきます。
どんなことをしたのかという結論部分から、それについて何を学んだかという締めまでのエピソード展開に合わせて6つのコツがあるので、面接で突っ込みを入れられた部分との照らし合わせも可能です。
「学生時代に力を注いだこと」がいまいち伝わっていないと感じる方はもちろん。その前に話題にできるエピソードがない、見当たらないという方にも参考にしていただける内容です。
Contents
「学生時代に力を注いだこと」で、企業は何を見ている?
「学生時代に力を注いだこと(頑張ったこと)は?」というような質問はなぜ聞かれるのでしょう。企業がそれを聞くのは、経験してきたことのレベルの高さだけでなく、
- 本人の能力(スペック)や人柄
- 企業にマッチする人材か
を知りたいのです。また、エントリーシートや面接の話す内容の評価基準は、話の内容がいかにインパクトであるかに限らず、
- 聞いた(読んだ)だけでその人の性格や思考力が分かるか
- 企業で活かせられる能力か
なども評価されるのです。
エピソードの選び方。人柄と今後をアピールできるものを選ぼう
エピソードの選択は「結論(何に取り組んできたのか)」が決まる重要なものです。しかし「飲食店のバイトリーダーやっていました」「サークルで副部長していました」といった活動そのものの内容には興味ありません。企業はそこから、
- なにを頑張ってきたのか
- どんなことを乗り越え、成長したか
といった人柄や今後の可能性に興味があります。ほかにも、
- チャレンジ精神が分かる経験であるか
- リーダーシップを感じさせる経験か
なども見てくる場合があります。自分からすすんで取り組んだものほど印象が良いものになるでしょう。
また、よくありがちな「TOEICを○○点以上取りました」「○○の大会で優勝しました」というようなアピールも、それが難しいものであるほどインパクトはありますが、そのままでは意味がありません。
良い点を取ったから、優勝したからといって仕事に直接活かされるかは分からないからです。
- どう頑張ったから結果が出せたのか
- それを通して何を得られたか
などの詳しい情報がなければ、ただの自慢話になってしまいます。これらを踏まえてエピソードの選び方を見ていきましょう。
企業の求める人材をよく見極める
企業がほしいと感じる人材をアピールできることがなによりです。企業の募集要項を見てみると、どんな人材を求めているのかが分かります。
たとえば、「英語が話せる」「パソコン作業が一通りできる」などの技術面の募集だけでなく、
- リーダーシップのある人
- 協調性のある人
など、人柄が書かれている項目もあります。この部分を見落とさずにエピソードに織り交ぜられれば、強力なアピールに変わってくることでしょう。
個人だけではなく、集団を感じさせるものに
「この項目を書くと、どうしても自分の強みをアピールする「自己PR」と似てしまう」という悩みある場合は、書き方を変えてみましょう。自己PRの場合は「このように頑張ったから、成績が上がった」となど自分のことだけを伝えます。
しかし、「学生時代に力を注いだこと」の場合はそれだけでなく、「このように頑張ったから、周りも働きやすいようになり成績があがった」というような、その人柄がどのような役に立ち、組織に貢献できていったのかを伝えていきましょう。
エピソードが見当たらない場合
今からでも作りにいくのが一番早いです。いきなりアルバイトやサークルに入るのが難しいのであれば、自分なりに頑張ったと思えるエピソードで攻めることもできます。たとえば、学生時代に資格を3個以上取ったというエピソード。
「私は学生時代、3つ資格を取得しました。授業との両立で苦しい状況もありましたが、勉強するうちに学ぶことが楽しく感じ、勉強時間を決めるスケジュール管理もするようになり、1日の時間を大切にするようになりました。」
というような例文が作成できます。なによりも、その経験を通してどのように成長し、企業に活かせるのかがポイントになるからです。
また、「学生時代」であれば大学生より前のエピソードでもOK。人格アピールもできますが、「大学時代はどんなことを頑張ってきましたか?」と掘り下げられる可能性が十分あり得るので、必ず大学時代のエピソードも用意しておきましょう。
質問を掘り下げられても答えられる、伝え方のコツ
自分の人柄や今後の可能性を伝えるためには、
- どんな思いでそれに取り組んだか
- 課題に対して、どんな行動を取ったか
- それを通してどのような成長したのか
というのをしっかりと伝えなければなりません。エピソードの構成は、
- 「概要」何に取り組んだか
- 「動機」なぜ取り組もうとしたか
- 「課題・目標」どんな目標や課題をたてたか
- 「行動」目標を解決するためにどんな行動をしたか
- 「結果」困難を突破した結果何が起きたか
- 「学び・成長」その経験から何を学んだか
という6つの枠組みで展開させいくと分かりやすいです。なお、すべての項目で言えることですが、専門用語を使わないように分かりやすく簡潔に伝えましょう。では、以下に詳しく紹介していきます。
概要:話題の結論でもある大切な項目
「何に取り組んできたか」は一言で表現できるように伝えましょう。たとえば「学生時代力を注いだことは、○○サークルです。」というように、結論が先であると、どんな話をするのかが相手に伝わります。
動機:印象が良いのは自ら行動を取ったもの
「それに取り組んだきっかけ」について、まずは二つの動機を見比べてみましょう。
- 「先輩に勧められて入ったのがきっかけです」
- 「高校時代から○○に興味があり、大学で学びたいと思ったのがきっかけです」
どちらがより良い印象に思えるでしょうか。前者は周りに流されて始めた。という印象ですが、後者は自分から進んで始めたという印象があると思います。
また、「優勝したいと思ったから」というような目標が動機であれば、そこに「なぜ優勝しようと思ったのか」の理由を付け加えることで人柄が現れます。
課題と目標:自分が主に取り組んだことを伝える
「活動の中では、どんな課題と目標を立てたのか」。たとえば、「優勝を目標に練習スケジュールの内容を吟味して頑張りました」だけでは足りません。
「チームワークを大切に。と掲げているのに、人間関係が良くありませんでした。どうすればこの状況が良くなるか考えました」というような、解決したいと自分で思った課題や目標を伝えます。
大切なのは「どんな活動をしたのか」ではなく「何を考えてその行動を取ろうとしたのか」に焦点を当てて伝えるのが大切です。
行動:困難にどう立ち向かったかを抽象化せず伝える
「自分の強みや人柄がどのように発揮されたか」。「学生時代に力を注いだこと」のメインとなる部分で、仕事への取り組み方としても評価されます。
「課題」の項目にも書いた例文の続きとして、「チームワークを上げるため、みんなでさまざまな考えを出し合って、この問題を解決していきました。」と書いたとします。
この文章だと印象が弱くありきたりです。高確率で面接官に突っ込まれてしまいます。あなたがどんな思考をめぐらし、行動したのかを知りたいので、「さまざま」の部分を細かく具体的に伝えてみましょう。
結果:比較や数値を出すことで分かりやすく
「困難を抜けた結果得られたこと」については、簡潔にまとめましょう。「はじめは○○だったけど、結果は□□になった」という、過去と現在の結果の比較はとても分かりやすく表現しやすい伝え方です。
ほかにも、結果が数字で表せるのであれば「15から30に」など具体的な数字を出すことで、より分かりやすく具体的になります。
学び:この経験から何を学び、気づいたか
「経験から何を学び、会社に活かせる強みになったか」。最後の締めの項目です。そこから何を学んだか伝えます。しかし「仲間との絆の大事さを学びました」だけでは、仕事に繋がるかは不明です。
同じ人間関係の話題であっても、「どんな人でも真摯に向き合えば、心を開いてくれることを学びました」と伝えれば、人と関わる仕事で経験が活かせるというアピールが可能です。
このように同じ学びでも見方を変えることで、仕事に関わる「気づき」に変えることができます。
突っ込まれても慌てないように準備をしておこう
ここまで「学生時代に力を注いだこと」を聞く理由と、その伝え方をご紹介してきましたが参考になりましたか?
いくら完璧にエピソードを組み立てても、「これ以外にもなにか頑張ったことはありますか?」といった質問もされる可能性もあります。この状況を想定して、複数のエピソードを用意しておくと安心ですよ。