派遣の3年ルールとは?法律の仕組みや社員への影響を知りたい

派遣の3年ルールというのをご存知でしょうか?

法律の仕組みをきちんと理解した上で派遣契約をしないと、思わぬ「雇い止め」という自体に遭遇してしまうかもしれません。

契約をした後で「知らなかった」では済まないので、法律の中身は知っておきたいですね。

派遣社員として働くために必須の「3年ルール」について詳しく解説します。

正社員ではなく派遣社員として働きたいと思っている女性も多いと思います。

ライフスタイルに合わせた働き方をするためにも、派遣法というのはどのような法律なのか、今後の働き方にどのような影響があるのかということをしっかり理解しておきましょう。


2018年10月から適用される、派遣社員の3年ルール

派遣社員とは、派遣会社に所属してあちこちの会社に「派遣されて」働きにいきますね。

3年ルールというのは、「1つの会社で働くことが出来るのは3年を上限とする」というルールです。

2015年9月に労働者派遣法が改正されたため、2018年10月からこの3年ルールが適用されるのです。

同じ企業で3年以上働けない

派遣社員として働いていると、「この会社、人間関係も悪くないし居心地がいいなあ、働きやすいな」と感じることがあると思います。

でも、同じ人が同じ企業で3年以上派遣社員として働くことが出来なくなりました。

この「3年」という期間は場合によってはもっと短くなる場合があります。

これは、「同一の事業所は3年を超えて派遣社員を受け入れることは出来ない」という規定があるからです。

例えばAさんが1年派遣社員として働いていた事業所に、今度はBさんが派遣された場合、Bさんの働く期間は2年になります。

ただし、この「事業所単位の期間制限」については、派遣先の労働組合が許可をすれば延長は可能なので、丸3年までは働ける可能性があります。

業種も拡大した

以前は派遣3年ルールの適用対象外となっている業種がありました。それが「26業種」と呼ばれる業種です。

  • ソフトウェア開発
  • 通訳
  • 秘書
  • 機械設計

など専門的な知識を必要とする一部の業種は3年ルールから外されていました。

ところが2015年の改正により例外なく3年ルールが適用されることになりました。

法律が出来た背景

同じところで3年しか働けないなんて、それが働く人のためになるの?と思いますよね。

この法律が出来た背景には、派遣社員などの有期雇用ではなく、正社員など安定した働き方を増やしたいという考えがあるのです。

3年の間に派遣先で正社員として雇ってもらうか、スキルアップして別な会社で正社員として雇用されるか。

いずれにしてもずっと派遣社員でいるのではなく、安定して働く方法を3年の間に見つけてください、という法律なのです。

派遣社員として働き続けたい場合は

でも、派遣として働き始めた会社がとても働きやすく、この会社でずっと働きたい!と思うこともあるでしょう。

もしくは、会社は変わってもいいけど、派遣社員という形で働き続けたい人もいると思います。

実は派遣元の会社には、雇用を安定させるために次のような義務を負っています。

  • 派遣先の会社に正社員等で直接雇用してもらうよう依頼する
  • 仕事が途切れないように新たな派遣先を紹介する
  • 派遣元の会社で正社員など期限のない雇用をする
  • その他、雇用を安定させるための措置をとる

ですから今の会社に「正社員として雇ってください」と働きかけてもらうこともできるし、新たな派遣先を探してもらうことは可能です。

これらの措置は雇用安定措置といい、雇用元の会社が行う「義務」になるので、3年で仕事がなくなることはないと安心できそうなのですが、実は落とし穴もあります。

派遣期間が1年〜3年未満の場合は、「努力義務」といわれ、「義務」ほど重くはないのです。

つまり、努力はしたけれども派遣先の会社では雇用してもらえませんでしたとか、次の仕事を確保できませんでしたということが起こりえます。

派遣期間が3年になる前に、実質の「派遣切り」にあうケースもないとはいえないので、注意が必要なのです。

派遣元の会社の義務についての詳細は後述します。

3年ルールに該当しない人

この3年ルールは、適用されない人もいます。

  • 無期雇用として派遣会社に雇用されている人
  • 3年目を迎える時に60歳以上になる人
  • 元々期限が決まっている有期プロジェクトに関わる場合
  • 1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下で10日以下の人
  • 産休や育休で休んでいる人の代わりに働く場合

こういった働き方をしている場合は、3年ルールが適用されません。

5年ルールも知っておこう

ちなみに「5年ルール」というものもあるので、ご紹介します。

派遣会社との雇用期間が通算で5年を超えた場合、希望すればその会社で無期雇用してもらえることも出来ます。

これが5年ルールです。無期雇用になれば3年ルールの適用除外になるので、派遣期間にも制限がなくなります。

ただしここで注意しなければいけないのは、無期雇用に切り替えた場合、たしかに雇用は安定します。

しかし派遣会社で無期雇用されているということは、気に入った派遣先の会社があってもそこで直接雇用されるチャンスが減るということです。

また、クビにならない安定感がある代わりに、頑張っても給料が一向に上がらないという可能性もあります。

正社員と比べれば派遣社員の給与は低いです。そのままの給与で雇用され続けるのかどうか、給与形態、雇用形態をしっかりと確認のうえ、よく考えた方がいいでしょう。

派遣元の会社が行わなければいけない対策

では、3年経ったらどうなってしまうのか?それが一番不安ですよね。

3年ルールに則って派遣元の会社が雇用の安定のために行わなければいけない対策について、詳しく見ていきましょう。

直接雇用の依頼

まずは、派遣先の企業で直接雇用をしてもらえるかどうか働きかけるということです。

正社員でなくとも、アルバイトや契約社員として雇用される場合もあります。もし「この会社で働き続けたい」と思うのであれば、希望を出してみるといいでしょう。

ただし、その希望が叶えられるかどうかは、企業がどういう意図で派遣社員を使っているのかにもよります。

最近では新たに人を採用する時に、高いお金を出して求人広告を出すよりも、派遣会社から人を派遣してもらい、実際に働きを見ることによって長期雇用に切り替えるという意図で派遣を使っている会社もあります。

そのような会社であれば、正社員として採用してもらえる可能性はあるでしょう。

そうではなくて、単に人件費を安くしたい、正社員を雇いたくないという理由で派遣社員を使っているのなら、当然ながら直接雇用の可能性はかなり低いといえます。

また、この依頼は派遣元の会社の「義務」ではありますが、派遣先の会社にその依頼を受ける義務はありません。

希望があれば働きかけはしてもらえますが、それが受け入れられるかどうかは別ということです。

もし今の会社で長く働きたいと思うなら、日頃からそのチャンスを探す、派遣先の上司といい関係を築くなど、3年を迎える前の準備が大事になるでしょう。

新たに派遣先を紹介する

一つのところで長く働きたくないから派遣社員という働き方を選んでいる人もいますよね。そういう人にとっては、3年ルールは特に影響がないかも知れません。

3年経って同じ事業所で働けなくなったら、派遣元の会社は新たな派遣先を紹介する義務があります。

ですから、次の仕事先には困らないということですね。

ただし、年齢やスキルなどによっては紹介先が限られてしまう可能性もあります。

派遣社員として色々な会社で働きたい、ずっとこの形態で仕事がしたいと思うのであれば、やはり「必要とされるため」の努力は必要です。

派遣元で無期雇用する

3年経つと派遣先が決まらなかったり、空白の期間が出来てしまうと困りますよね。

そうならないように派遣元で無期雇用をするという方法があります。これは5年ルールとも関わってきますね。

派遣元の会社で正社員になるというルートもなくはないので、このまま派遣先を紹介してもらうか、無期雇用を選ぶか、よくよく考えたいところです。

安定した雇用先の確保

上記のいずれも実現しない場合、何かしら雇用を安定させるための対策をとらなくてはいけません。

結局労働者の首を絞めている?この法律の問題点

3年ルールは雇用を安定させるために作られた決まりで、不安定な派遣社員を減らし、正社員を増やすという目的で法改正が行われました。

しかし実際には、3年を過ぎて正社員として雇用される人は少ないのが現状です。

考えてみれば当然で、派遣社員は会社の中心となるような大きなプロジェクトに関わるよりも、補助的な事務仕事に就いている人がほとんどでしょう。

言い方は悪いですが、誰でも出来る仕事であることが多く、期限が来たからといって正社員として雇うメリットが派遣先の会社にはないのです。

実際、期限が来る前に派遣切りにあっているという声も増えてきています。

派遣社員のために作られたルールが派遣切りを助長しているという専門家の見方もあります。

正社員を目指す人が考えたいこと

派遣社員だからと遠慮をして、誰でも出来る仕事をそつなくこなしているだけでは正社員として雇用されるチャンスはないと思った方がいいでしょう。

人を雇うということは会社にとっては投資なのです。給料以外にも社会保険料などが必要になりますから、それだけの経費を払ってでもうちの会社に来て欲しいと思うような人材でなければ正社員として雇わないのです。

派遣社員として仕事をしていたら、「こんな正社員よりも私の方が仕事をするのに」と思うこともあるでしょう。

それであれば、「私は投資に値する人間です」ということをアピールしていかないといけません。

ただ目の前の仕事をこなすだけではなく、

  • この会社はどのような人材を求めているのか
  • 正社員として雇用されるためにはどのようなスキルが必要なのか

ということを徹底的にリサーチして、常にアンテナを張っておくことが必要です。

法の抜け道。3年以上同じところで働く方法はある

しかしながら法律にはいつも抜け道があるもので、同じ会社でも3年以上働く方法があります。

部署を異動する

同じ会社であっても部署を異動することで違う事業所として扱われることになります。

例えば総務部から営業部に異動すれば、3年以上継続して働くことが可能です。

部署や業務内容が違えば期間がリセットされるので、同じ会社で異動を繰り返して働く、ということは法律上出来るのです。

クーリング期間もあるが

あまりおすすめできない方法ではありますが、「クーリング期間」をおくことで3年という期間がリセットされ、同じ企業でまた働くことが出来ます。

このクーリング期間は「3ヶ月超」とされているので、3ヶ月と1日間を空ければ、また同じ事業所で働くことは可能なのです。

ただし同じ派遣先に戻れる保証はどこにもないですし、同じ部署で派遣として働き続けることがいいことなのかはよく考えないといけません。

今後のキャリアアップや安定的な雇用を考えたら、あまりいい方法とは言えないでしょう。

同じところで長く勤めたいのかよく考える。派遣社員にはメリットも

私が以前働いていた会社で、旅行とサッカーが好きで、あちこちに試合を見に行ったりしたいので、あえて派遣社員という働き方を選んでいる、正社員にはなりたくないという女性がいました。

たしかに安定的ではないかもしれないですが、その人は3ヶ月〜半年くらい一つのところで働いたら少し休んで、別のところでまた働く、という働き方をしてきたそうです。

正社員よりはお給料が安いかもしれないけれど、残業もしないでいいし、休みやすさには変えがたいということでした。

仕事に何を求めるかはその人次第です。

やりがいとか安定という人もいれば、プライベートの時間が何より大事だから、会社には縛られたくないという人もいるでしょう。

派遣社員なら、今働いている会社がイヤなら契約を更新しなければいいだけのことで、また違う派遣先を探せばいいだけのこと。気楽といえば気楽です。

派遣という形を続けるのか正社員を目指すのか。どちらがいいとか悪いという問題ではありません。

自分はどうやって働きたいのか、どんな仕事をしたいのか、よくよく考えて決めることが大切です。

働き方は生き方。今後どうやって生きていきたいか、よく考えて

私はフリーランスという働き方ですので、安定とは無縁の働き方です。派遣社員のように、とりあえず派遣先がある間は決まったお給料がもらえるということもありません。

それでもフリーランスを選んだのは、もう会社に縛られるのがイヤだったからです。自分で好きなことをやって生きていこうと思ったから、このような働き方をしています。

働き方とは生き方です。

派遣社員から抜け出して正社員になりたい!と思う人は、3年の間に頑張ってスキルアップし、希望する企業に求められる人材になりましょう。

このままプライベートな時間を大事にしたいという人は、派遣社員という働き方を続けていくのもいいと思います。

3年ルールは今後の人生を考える、いいきっかけになりそうですね。

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