最近は運動シューズなど履きやすい靴で通勤する女性も少なくないようです。運動靴、とまでは言わなくても、ヒールの低い靴やペタンコ靴を履く女性も増えてきました。以前のように、9cmのピンヒールを履いている、などという人は少なくなったと感じる人も多いのではないでしょうか?
確かに、ペタンコ靴やスニーカーは足が楽です。長時間履いていても、疲れにくいです。その点ヒールは高ければ高いほど、足が痛くなることも多いもの。そのせいで、履きたくても履けない、という女性も多いのです。
ヒールは女性らしく、カッコいいものです。ペタンコ靴を履いていても、ヒールへの憧れがなくなったわけではないでしょう。できればヒールを履きたい、でも痛いから履けない、という人に、ヒールでの足の痛みを軽減する方法を紹介しましょう。
Contents
ヒールで足が痛いときにチェックしたい点
ヒールを履くと足が痛い、という場合、少なからず理由があるはずです。まずは、その痛みの原因は何かを確認してみましょう。原因が判明したら、そこから改善していきましょう。
本当に足に合ってる?サイズをチェック
靴を履いて足が痛い場合、サイズが合っていないことがあります。ヒールも同じです。足のサイズが23cmだとしても、ブランドなどによってはサイズが異なる場合があります。足にフィットしているかどうか、チェックしてみましょう。
- 足の幅
- 足の一番広い部分と、ヒールの一番広い部分がフィットしているものを選びましょう。
- 靴のつま先
- 特にハイヒールはつま先に重心が行きやすく、足の指先が窮屈になり痛みが出ます。靴のつま先には1~1.5cmほどの余裕が必要です。
- かかとの深さ
- かかとが深すぎると靴擦れしやすく、浅いと歩きにくく足に負担がかかります。かかとをすっぽりと包み込むくらいが適度な深さです。
- 大きすぎる・小さい
- サイズが小さめを選ぶことはほとんどないと思いますが、大き目の靴を選んでしまってしませんか?大きい方が痛くない、と考えるかもしれませんが、それは間違いです。靴が大きいと、かかとがパカパカしたり、足が靴の中で滑ったりして、足に余計な力が入り痛みの原因になります。
歩き方で足が痛くなる!歩き方を改善
痛みの原因が歩き方にあることも。歩き方のクセは靴からも分かります。ヒールの靴底をチェックしてみましょう。
- かかとの後ろが減っている
- 足をひきずるように歩いているかも。腹筋や背筋がない人に多いです。
- つま先の先端が減っている
- つま先で着地をしたり、前傾姿勢で歩いたりしていませんか?つま先に重心がかかりやすいので、足先が痛み、外販母趾など足のトラブルになりやすいです。
- 外側が減っている
- O脚の人に多く、またガニ股で歩く人にも多いです。足の外側に重心がかかっているということなので、足の内側の筋肉が衰え、外側の筋肉が硬くなります。足が太くなる原因にもなります。
- 内側が減っている
- X脚や内股の人に多いです。猫背など悪姿勢の人は、靴底の内側が減りやすいです。膝を曲げて歩く傾向もあります。
ヒールで歩くときには、次の点を意識して歩きましょう。
- 頭のてっぺんから糸で吊るされているようなイメージを持つ
- 目線は10cm先を見て歩く
- かかとから着地する
- 両方の膝をこするように歩く
- 足を踏み出すとき以外は膝を曲げない
外反母趾などの足のトラブルを解消
足にトラブルがあると、痛みが出ることがあります。痛みが出ると足をかばって歩くので、さらにトラブルが悪化するという悪循環に。生じやすいトラブルを把握し、対策をしましょう。
- 足の指の変形
- 高いヒールを履いていると、つま先に重心がかかり、つま先が圧迫されます。足の指先がハンマーのように曲がってしまうハンマートゥや、外反母趾になりやすくなります。特に外反母趾はヒールを履いている人に多い症状です。
- 魚の目
- 足の裏や足の指の皮膚が厚くなることが原因です。一部分だけに負担がかかることで、角質が増え、中心に硬い芯ができます。芯が大きくなり、神経を圧迫して刺激するため、痛みが発症します。ヒールを履く人は、足裏の中心にできやすいです。
- 足低筋膜炎
- かかとの骨から足裏の前の方までつながっているのが足底筋膜です。この部分が刺激されたり、圧迫され続けたりするとコラーゲンが劣化し、炎症が発症します。足底筋膜は足のアーチを維持し、バランスをサポートする重要な役割を担っています。
痛くならないヒールの選び方
痛くならないためには、次のような点にも注意して選ぶようにしましょう。
- 靴の構造をチェック
- 靴の背骨にあたる「シャンク」という部分が硬くないと痛みが出やすくなります。ねじってみて、硬いものを選ぶことです。靴底が柔らかすぎるのはNGですが、硬すぎるもよくありません。前部分3分の1あたりで曲がる靴を選びましょう。
- 痛みの出ないヒールの高さ
- ヒールの高さの上限は6cm程度です。痛みが出ない高さは3~4cm程度。高すぎず、ペタンコではない方が足の痛みが出にくく、歩きやすいです。
- つま先の形
- つま先の形に合った靴選びも重要です。
- 親指が長い人…ラウンドトゥ、オーブリクトゥ
- 人差し指が長い人…ポインテッドトゥ、アーモンドトゥ
- 指の長さが同じ人…スクエアトゥ
といった形を目安に選ぶといいでしょう。
- ストラップ
- ストップがついていると、足に負担がかかりにくいです。
痛いけれどヒールは履きたい!痛いときの対処法
足が痛いまま履いていると、足に負担がかかるだけでなく、肩こりや頭痛、腰痛などの原因になります。足が痛い場合は、すぐにでも痛みを軽減させる対処をしましょう。簡単にできる対処法を紹介します。
靴や悩みに合わせることが重要!インソールを利用する
インソールを使うことで、足がヒールにフィットしやすくなり痛みが緩和されるとともに、歩きやすくなります。インソールにはさまざまな種類がありますので、靴や悩みに合わせたものを選びましょう。
- 痛みの原因や悩みに合わせる(外販母趾や偏平足など)
- 土踏まずのアーチを正常に機能させる構造で、歩く時の衝撃を吸収してくれるインソールや、クッション性が高いジェルタイプなどがあり、痛みを軽減することができます。安定して歩くことができるので、足への負担も軽くなります。
- ヒールに合ったインソールを選ぶ
- 長時間履いていても疲れを感じさせないものや、足のむくみなどに対応しているものがあります。洗うことができ、メンテナンスが簡単なものを選ぶといいでしょう。
気分もほぐれる!ストレッチで足裏をほぐす
ストレッチで固まってしまった足の筋肉をほぐします。毎日行いましょう。
- 足首を上下・左右に動かします。アキレス腱、足の側面をしっかり伸ばしましょう。
- 足の指先を持って、足をぐるぐると回します。外回し、内回し、両方行います。
- 足指でグー・チョキ・逆チョキ・パーをして、足の指をほぐします。
- 足裏を押したり、さすったりしながらマッサージをします。
- 足の甲をさすり、リンパを足先に流します。
手軽にできる!シューズストレッチャーを使う
窮屈なヒールを履いている場合、ヒールを伸ばしてくれるのが、シューズストレッチャーです。本体をヒールの中に入れ、ハンドルを回して広げるだけ。シューズストレッチャーは
- 靴の縦
- 横幅
- 甲周り
- つま先
などを伸ばすことができます。
シューズストレッチャーはホームセンターや靴売り場などで手に入れることができます。
靴擦れができてしまったときの対処法
靴擦れができてしまった場合は、水でキレイに洗い、保護シートや靴擦れ専用の絆創膏などでケアをします。水ぶくれができたら、そのままにしておくのが正しい方法です。水ぶくれの中には、皮膚の損傷を改善する液体が入っていますので、そのままにしておいた方が、治りが早いです。
水ぶくれが破けてしまった場合は、水でキレイに洗い、皮膚を取り除きます。そのままにしておくと雑菌が繁殖しやすいので注意しましょう。
ヒールの痛みを失くすには健康な足と靴選びが大切
ヒールは足をキレイに見せてくれる、女性にとって重要なアイテムです。しかし、長時間履いていると痛むし、靴擦れができやすいなどのデメリットがあります。
そのようなデメリットを解消するには、足に合ったヒール選びが大切。本当に足に合っているか、今一度チェックしてみてください。また、足に何等かのトラブルがあったり、間違った歩き方をしていれば、痛みが出るだけでなく、膝や腰など体にも悪影響が出てしまいます。
ストレッチやマッサージで足のケアをしながら、足の健康にも気を配ることが大事ですよ。