働いている女性にとって、疲労の蓄積は頭の痛い問題です。仕事を休めない時に栄養ドリンクに頼ってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、栄養ドリンクで回復できるのはその時限りで、疲労の根本的な回復は難しいです。
疲労回復を疲労の根元から行うには、食べ物によって内側から疲労を回復する必要があります。
疲労回復に効果のある栄養素と代表的な食べ物、疲労回復を目的として食べ物を食べる際の注意点を紹介します。
Contents
疲労回復のカギは普段の食事!
疲労回復は普段食べている食べ物に含まれる栄養によって行うのが一番効果的です。疲労回復を効率的に行うには、疲労回復効果のある栄養素が体内でどのような働きをするのかもしっかり理解して行わなくてはなりません。
まずは疲労がたまるメカニズムと、疲労回復の仕組みを覚えましょう。
疲労が溜まるのは栄養不足が関係している
疲労が蓄積された体は、栄養の代謝が上手くいかない事で、細胞についた細かな損傷が回復できない状態にあります。栄養の代謝が上手くいかない原因として一番多いのが、栄養不足です。
栄養の中には、炭水化物や脂質をエネルギーに代謝する際使われる物があり、これらの栄養素が足りないと、体内でエネルギーが作られなくなり、疲労が蓄積されていきます。しっかりご飯を食べていても、エネルギーを作る栄養素が足りていなければ、疲労は回復しないのです。
疲労の蓄積を感じる場合は、普段食べている食べ物が含んでいる栄養素を見直す必要があります。普段の食事に含まれる栄養のバランスが崩れていないか、見直す事から始めましょう。
栄養の代謝を働かせる事が大切
体にエネルギーを作るには、
- 炭水化物(と炭水化物に含まれる糖質)
- 脂質
が必要ですが、それらをしっかり働かせるためには、炭水化物や脂質を代謝してくれる栄養素が必要になります。
疲れが取れないからといって、エネルギーになる炭水化物や脂質のみを取っていると、代謝に必要な栄養素が足りなくなり、逆効果になってしまう場合もあるのです。
疲労回復を目的として食事をする時は、
- エネルギーの元になる栄養素を含んだ食材
- エネルギーを代謝するのに使われる栄養素を含んだ食材
をバランスよく食べ、体内のエネルギー代謝を活発にしてあげる必要があるのです。
疲労が蓄積している場合は、これらの食材と合わせて、乳酸等の疲労を生み出す物質を除去してくれる栄養素を含んでいる食材も併せて取るようにすると、疲労回復の効果を引き上げる事ができます。
疲労を回復してくれる栄養素と代表的な食べ物
疲労回復には、エネルギーの元となる炭水化物や脂質を含んだ食材と合わせて、
- エネルギーの代謝に使用される栄養素
- 疲労の原因物質を取り除いてくれる栄養素
を含んだ食材を食べると効果的です。
エネルギーの元の代謝に使われる栄養素と、疲労の原因物質を取り除いてくれる栄養素の中から、摂取しやすい代表的な栄養素と、それを多く含む食材を紹介します。
エネルギーの代謝に使われる栄養素
エネルギーの代謝や疲労回復に使われる栄養素の中でも、特に摂取しやすいのが
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- クエン酸
です。
それぞれの効果と多く含んでいる食材についてまとめると、以下の様になります。
ビタミンB1
ビタミンB1は炭水化物が代謝する際に使われる酵素を、活性化する効果があります。これにより、エネルギーを生み出しているのです。その為、別名「疲労回復のビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンB1は
- 豚肉
- 動物のレバー
- 豆類
- 玄米
- 小麦胚芽
- 米ぬか
- カツオ
- ウナギ
- ニンニク
等に多く含まれています。
ビタミンB1は水に溶けやすく、熱にも弱い栄養素なので、調理の際注意が必要です。
- スープ等、栄養素が溶け込んだ水分を摂取できる料理
- 普段のご飯を玄米に変える
といった工夫を行えば、手軽にビタミンB1を摂取する事ができます。
ビタミンB2
ビタミンB2は脂質を代謝する時に活用されるビタミンで、エネルギーの代謝だけでなく、新陳代謝を促し、髪や肌、爪を作る効果があります。その為、別名「美容ビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンB2は
- 牛、牛、鶏レバー
- 牛乳
- ヨーグルト等の乳製品
- ウナギ
- ドジョウ
- カレイ
- サンマ
- ブリ
- 卵
- 納豆
- キノコ類
に多く含まれています。
ビタミンB2は水溶性の栄養なので、ビタミンB1と共に水分と一緒に栄養素も取れるような料理で摂取すると効率的に摂取する事ができます。
クエン酸
クエン酸には
- 炭水化物
- 脂質
- たんぱく質
を代謝する回路を活性化し、エネルギーを生み出す効果と、乳酸等の疲労物質を取り除く効果がある物質です。
お酢やかんきつ類等の酸っぱさを作っている物質でもあります。昔から疲れた時には酸っぱい食べ物を食べるといいと言われていますが、これは酸っぱい食べ物の中にあるクエン酸の働きによるものです。
クエン酸は
- お酢
- 柑橘類
- 梅干し
に多く含まれていますが、ジュース等を作る為の、食用のクエン酸もあります。スーパーや薬局で売られている事が多いので、食材でとるのが難しい場合は、食用のクエン酸を利用してみましょう。
疲れがたまっている時におすすめの食べ方
疲れがたまっている場合、ただ疲労回復効果のある食材を食べるだけでは、食材に含まれる栄養素をうまく活用できない場合もあります。食材や栄養素だけでなく、食べ方にも工夫してみましょう。
消化の良いメニューを心がけて
疲労回復で意外と忘れられがちなのが、胃腸への負担です。体が疲れている時は、内臓にも疲労が蓄積されています。この時に消化の悪い物を食べてしまうと、逆効果になる上に胃腸のトラブルを招いてしまう可能性があるのです。
疲労回復を目的として食事をする際は、消化に良いメニューを心がけるようにして下さい。
おすすめなのが、
- おかゆ
- スープ
- うどん
です。消化しやすい上に、水溶性の栄養素もしっかりとる事が出来るメニューです。食べ方や調理の仕方もたくさんあるので、自分好みの調理ができます。
刺激物はNG
疲労回復を食事で行う際、注意してほしいのが、刺激物を避けるという点です。
具体的には、
- 唐辛子等の刺激が強い香辛料
- しょっぱさや酸っぱさが強すぎる食べ物
- 脂肪分が多い食べ物
- 食物繊維が多い食べ物
- 温度が極端に高い・低い食べ物
- お茶やコーヒー等、カフェインが含まれている飲み物
- 炭酸飲料
- アルコール
がこれに当たります。
刺激が強い食べ物や、一部の栄養素が多い食べ物は、消化に負担をかけてしまい、疲労回復に逆効果になってしまう場合があります。しょっぱさや酸っぱさが強すぎる食べ物も、体に負担がかかってしまいますから、塩分やクエン酸を含む食材を取る際は注意して下さい。
アルコールやカフェインは、消化器官に負担をかけてしまう上に、肝臓にも負担をかけてしまいます。疲労回復には逆効果なので気を付けて下さい。炭酸飲料は飲み過ぎると胃にダメージを与えてしまいますので、疲れがたまっている時は避けるようにしましょう。
最終手段!一時的に疲労を回復してくれる食べ物
疲れがたまってしまってどうしようもない時や、この時だけ何とか乗り越えたいけど、薬には頼りたくない時は、一時的に疲労を回復してくれる食べ物を活用しましょう。ただし、これも取り過ぎは疲労回復を遠ざけてしまいますので、注意して下さい。
どうしても乗り越えたい時だけ頼っていいもの
この時だけどうしても乗り越えたいけど、疲労がたまって仕方がない、という場合、糖質を含んだ食べ物を食べると一時的に回復する事ができます。
糖質は
- 脳に直接作用する唯一の栄養
- 血糖値を急激に引き上げる効果があり、これによって一時的に疲労感を薄くできる
といった効果があります。
糖質を活用した疲労回復方法は、即効性がありますが、体に負担がかかる方法な上、肥満の原因にもなりかねない方法ですから、本当に困ったときにだけ、正しい利用方法を守って使用するようにして下さい。
糖質を賢く利用しよう
ここぞという時に糖質の力を借りたい場合は、
- 甘い物を一かけら程度の量服用する
- 普段からビタミンB1を含んだ食材を食べるようにする
- 本当に困った時にだけ利用し、一度使用したらしばらくは使わない
等、賢く利用するためのポイントを押さえた活用の仕方が大切になります。
甘い物が持つ糖質の効果は、一かけら程度で十分効果を発揮してくれます。また、この効果を最大限に発揮するには、炭水化物や糖質を代謝するビタミンB1の働きが必要です。普段から糖質の量やビタミンB1の摂取に気を付けた生活を送るようにしましょう。
甘い物には糖質だけでなく、脂質や炭水化物もたくさん含んでいる事が多いです。食べ過ぎはもちろん、糖質による疲労回復を行ったら、ある程度使用期間を開ける事も忘れずに行って下さい。
疲労回復は普段の食べ物から意識しよう
疲労回復は、普段の食べ物から摂取できる栄養素が重要になります。疲労がたまっていない状態の時から、栄養素を意識した食事を心がけましょう。