会社の健康保険組合、もしくはけんぽ協会から交付されている健康保険証は、会社を辞めれば当然返却しなければいけません。
でも、保険証が手元にないと病院にかかれないし、次の保険証を手にするまでどうすればいいの?と迷ってしまいますよね。
引っ越しなどで会社と遠く離れてしまった場合はわざわざ持っていくのも大変ですし、返却方法にも迷うところです。
そこで、保険証はどうやって返却すればいいのか、新しい保険証の切り替えまではどうすればいいのか、ということについてまとめました。
退職を考えている人は、手続きの参考にしてください。
Contents
健康保険証を返却する期限、返却方法など
健康保険証を返却するのはいつまでか、どうやって返却すればいいか、注意して欲しいことをまとめました。
退職したらすぐに返却
退職日までは有効ですが、翌日からは無効になるのですぐに返しましょう。
すぐに返却しないと、会社にも迷惑をかけることになってしまいます。
5日を過ぎたからといって罰則があるわけではないですが、担当の人の手間を考えると、翌日にはきちんと返したいところです。
持っていけるなら持っていく
地元に帰ってしまうなど会社に出向けない理由がないのであれば、手渡しするのが一番確実です。
退職日もしくは退職した翌日に、担当者に直接渡しましょう。
郵送する場合は書留で
有給を取得したまま退職日を迎えるとか、引っ越しで地方に行ってしまう場合は会社に行くことができない場合もありますね。
もし持っていくことができないならば、郵送も可能です。
ただし、普通郵便ですと紛失の可能性がなくはないので、
- 一般書留
- 簡易書留
など追跡できる送り方にしてください。
どちらの書留もポスト投函できませんから、郵便局の窓口に行って手続きをします。
簡易書留と一般書留の違いは、料金と賠償額の違いです。
念のため、退職前に保険証を郵送してもいいかどうか、確認しておくと安心です。
封筒は何でもいいですが、そのまま保険証だけを送るのではなく、一筆書いておくのが礼儀です。
○月○日で退職いたしました、○○と申します。
保険証をお送りいたしますので、お手続きのほど何卒よろしくお願いいたします。
これまで大変お世話になりました。
貴社のますますのご発展を心よりお祈りしております。
担当者は誰か、誰宛に返送すれば良いのかも、事前に確認しておくといいでしょう。
「保険証在中」と書かない
封筒に「保険証在中」と書く必要はありません。
そんなことを書いてしまうと、途中で盗難にあってしまうかもしれません。
悪用されたら大変なので、中身がわかるようにする必要はないですよ。
有給消化中には返さなくても良い
退職の挨拶はしたし、有給を消化してそのまま辞めるから、と早めに返却してしまう人がいるのですが、有給消化中に病気になったら大変ですよね。
退職日の翌日に、速やかに郵送で返却すれば大丈夫です。
退職日に返却して、帰るまでにケガをしたら?
あまりないとは思うのですが、退職日に返却をし、家に帰るまでの間に具合が悪くなったり、ケガをして病院にかかることになったらどうするか。
退職日までは保険証が有効ですので、もちろん使うことができます。でも手元にない。
そんな時に備えて、退職日に返却する場合は念のためコピーをとっておきましょう。
病院ではコピーと退職辞令などを見せて、今日退職したのだということを説明すれば大丈夫です。
月末まで利用できるわけではないことに注意
被保険者期間が月単位であることから、退職しても月末までは保険証が使えると勘違いしてしまっている人がいます。
保険証が使えるのは退職日までなので、翌日以降は使えません。
持っていたとしても使えないので、気をつけてください。使えば医療費は全額負担になってしまいます。
万が一病院にかかった場合、病院ではその時点であなたの退職日を確認できませんので、一応3割負担で会計をしてくれます。
しかし、資格を喪失しているということで、後で7割分の請求が来ることになります。
病院にかかった時点で国民健康保険への切り替えができていれば、その7割を国民健康保険に請求することは可能です。
万が一なくしてしまったら
引っ越し作業などをしていてうっかりなくしてしまった、という場合はわかった時点ですぐに会社に報告をしましょう。
対応の仕方は企業によって違ってきますが、いずれにしても企業は年金事務所に保険証を返却しなくてはなりません。
紛失届など提出書類が必要になることもあるので、どうすればいいのかを早めに相談してください。
退職した後は速やかに手続きを!保険証の切り替え方法
日本は「国民皆年金・皆保険」制度をとっていますから、どんな職業であっても何らかの保険制度に加入する義務があるのです。
退職した翌日に再就職する場合
退職した翌日から新しい会社で働く場合は、健康保険証の切り替えも転職先でやってもらえますから任せておけばいいでしょう。
健康保険資格喪失証明書を次の会社に提出すれば新しい保険証がもらえます。
任意継続被保険者制度を利用する場合
退職して会社員でなくなった後も、健康保険制度に加入したいという場合は、任意継続被保険者として加入することができます。
健康保険の被保険者期間が退職までに継続して2ヶ月以上ある場合は、2年を限度として加入できるので、退職した翌日から20日以内に手続きをしてください。
これまで加入していた健康保険組合に
- 任意継続被保険者資格取得申出書
- 住民票
を提出します。
1ヶ月分の保険料も添えて手続きをします。
それまでの報酬が高い人は、任意継続にすると保険料が100%になるので結構きついですね。
国保の場合は自分の収入だけでなく、世帯全体の収入で保険料が決まります。自分の収入が低くても配偶者の収入が高いと保険料が高くなることもあるのです。
国民健康保険に入る場合
退職して
- フリーランス(自営業)になる人
- 扶養に入れないほど収入があるパート、アルバイトの人
などは、国民健康保険に加入します。
自治体が運営している健康保険ですので、住んでいる自治体によって保険料が違ってきます。
退職から14日以内に手続きをすることになっているので、早めに市区町村の窓口へ、必要書類を持って手続きに行ってください。
必要書類は加入すべき自由によって違ってくるので、事前に確認した方がいいでしょう。
家族の扶養に入る場合
退職してしばらく仕事をしない、もしくはパートで働くといった場合は、年収を確認して家族の扶養に入るという方法もあります。
扶養に入れるかどうかは、配偶者の勤め先に確認するといいでしょう。
新しい保険証はいつもらえる?切り替えまでに日が空く場合
退職してから次の就職までブランクがある場合や、会社員として再就職しない場合は、何らかの健康保険に切り替える必要があります。
種類は上記で説明したものになりますが、加入するまでに期間が空いてしまったり、手続きが遅れた場合はどのくらいで保険証がもらえるのでしょうか。
任意継続は数日〜5日ほど
任意継続の手続きをしてからだいたい数日、遅くとも1週間程度で新しい保険証が発行されます。
国民健康保険は約1週間
国民健康保険は、手続きからだいたい1週間程度で切り替えができます。
結局使わなかったのですが、もし手続きの間に病院にかかるかも、と思ったら窓口で申し出てみてください。
会社に迷惑をかけないよう、なるべく早く返却を!
退職前に有給を消化していたりすると、うっかり忘れてしまいそうな保険証の返却。
会社は健康保険組合への返却をしなければいけないので、自分が返却し忘れるととても迷惑をかけます。
最後の最後で迷惑をかけないように気をつけたいものですね。