流行語大賞にノミネートされたこともあり、世間に浸透しつつある「イクメン」という言葉。
「イケメン」をもじって、育児に積極的に取り組む男性のことを指す言葉ですが、パパとママの間で、この言葉の受け取り方には結構差があるようです。
おむつを替えたり、お風呂に入れたり、少しでも育児に参加すれば「イクメン」だと考えるパパに対し、気が向いた時にだけ参加するのでは「イクメン」とは到底言えないと思うママ。そもそも、二人の子供なのに、パパが育児をした時だけ「イクメン」と称えられるのはおかしいのでは?と考えるママもいます。
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「イクメン」普及のきっかけは、厚生省の「イクメンプロジェクト」
「イクメン」という言葉が広く知られるようになったきっかけは、2010年6月に厚生省が始動した「イクメンプロジェクト」。
実際、日本で男性の育児参加がなかなか進まないのは、人手不足等で男性の仕事が忙しすぎることにも原因があります。連日深夜帰宅で、妻と一緒に子育てをしたくても、仕事のある日はできない男性も多いのです。
「イクメンプロジェクト」では、2020年までに男性の育児休業取得率を13%にすることを目標にしています。これは2010年度の男性育児休業取得率1.23%の約10倍に当たりますが、ヨーロッパ各国に比べればまだまだ低い数字です。
2016年度には、プロジェクト呼びかけの成果もあり、男性の育児休業取得率は3%を超えました。今後、男性の育児参加がさらに進むためには、順調に取得率が伸びることが重要な課題になります。
形だけで中身がともなわない「自称イクメン」とは?
イクメンという言葉が浸透したことにより、男性の育児参加への意識は高まっています。しかし、少しやっただけでイクメン気取りの「自称イクメン」も少なくありません。
これを読んでいるパパの皆さん、以下のようなことに心当たりはありませんか?もし当てはまるようであれば、奥さんは陰で呆れたり、怒ったりしているかもしれませんよ。
- 実家や外出時など、人前でだけ育児をして、家では妻任せ
- 言われたことだけやり、後は妻が忙しそうでも知らんぷり
- 一人で子供を見ることができない
- 子供の世話はするけど、家事はしない
- おしっこのおむつは替えるけど、うんちはだめなど、できることに制限がある
- 自分の子供の寝る時間や授乳・食事の時間、回数など、子育てで共有できていない情報がたくさんある
いかがでしたか?妻が求めているのは、子育てに参加しているというパフォーマンスより、夫婦が協力して子供を育てること。
大切なのは主体性!真の「イクメン」になるにはどうすればいい?
では、妻から頼られる真の「イクメン」とはどんなパパなのでしょうか?編集部が考える真のイクメン像をまとめました。
言われたことだけでなく、主体的に育児・家事をこなす
奥さんに「これやって」と頼まれ、それが終われば後は知らんぷりでは、真のイクメンとは言えません。子供が小さいうちは身の周りの世話を全部親がやらねばならず、加えて普段の家事もあり、仕事は山積み。
頼まれた仕事が終わっても、洗濯物の取り込みや洗い物など、ほかに自分ができることがあれば率先して行いましょう。
時々はママに自由時間を。子供を安心して任せられるパパに!
よくママから出る不満が、休日夫は気が向いた時に一人で出かけられるのに、自分は子供の世話があるから出かけられないというもの。しかし、四六時中子供の相手ばかりではママも身が持ちません。たまには一人で、リフレッシュする時間も必要です。
理想はママが一人で出かけられるよう、安心して子供を任せられるパパになること。あるいは、子供を連れて出かけて、ママに家でゆっくり休んでもらうのもいいでしょう。
知らないからできないではなく、知らないことがあれば聞くようにして、普段から妻と子供の情報を共有し、二人で子育てをしているという意識を持つようにしましょう。
一緒に子育ての情報収集をし、妻のよき相談相手になろう!
子育てはおむつ替えや入浴といった作業ばかりではありません。保育園や幼稚園、学校選びや習い事、我が子の学力や人間関係など、成長の過程で色々と決断を迫られれたり、悩みごとはつきものです。
それらのことを、すべて妻任せにしてはいないでしょうか。何か相談しようとしても、全部「君に任せるよ」では、奥さんも孤独を感じてしまいます。
ママの理解も必要!?頑張りすぎて、「イクメンブルー」になるパパも!
イクメンという言葉の浸透とともに、育児に積極的に参加するパパも増えてきました。しかし、同時に育児と仕事のバランスがうまく取れず、「イクメンブルー」に陥るパパも増えていると言います。
- 頑張って育児に参加しているつもりなのに、やってもやっても妻からダメ出しが出る
- 育児に参加するために仕事を調整したいのに、なかなか会社の理解が得られない
- 仕事がある日、帰宅が遅くても育児や家事をこなして身体も心もヘトヘト
- 育休を取るなど、同じように育児に積極的な男性が少ないので、相談相手がいない
など、イクメンブルーに陥る原因は様々。せっかく頑張って育児に取り組んでも、身体や精神に不調をきたしてしまっては、元も子もありません。
パパに心身ともに健康で育児に参加してもらうためには、ママも以下のようなことに気をつけるといいかもしれません。
- 慣れない育児や家事で、上手くできていないところがあっても、ダメ出しばかりしない。お互い感謝の気持ちを忘れず、褒めて伸ばす
- パパが仕事で疲れている時などは、役割分担があっても無理強いはしない。互いにフォローしあうことが大切
パパの育児参加は発展途上。夫婦で相談して一番いい形を!
いかがでしたか?ヨーロッパなどに比べ、日本の男性の育児参加はまだ始まったばかり。企業側のサポート体制も万全ではありませんし、まだまだ発展途上だと言えます。
そのため、夫の育児参加はこうするべき!という大まかな道筋もなく、夫婦が手探りでお互いに一番いい形を作っていくしかありません。
もともと各家庭にはその数と同じだけ、適した育児の形があります。イクメン意識の高まりは、夫婦で自分たちに合った育児の仕方を、夫婦で考えるいい機会なのではないでしょうか。