子どもが小さいうちはできるだけ一緒にいる時間を多くもちたいもの。しかし、仕事をしていると育児と仕事のバランスを取るのに苦労することがよくあります。
育休復帰後に時短勤務を選択するママも少なくありません。3歳までの子どもを育てている場合、1日6時間の短時間勤務が選択できることが法律で定められています。
しかし、時短勤務を選択したときに頭を悩ませるのが給料です。勤務時間を短縮した分の給料を、企業側に支払う義務はありません。
そのため、時短勤務を選ぶと収入が少なくなるのです。ここでは、時短勤務の給料計算方法と、フルタイム勤務との給料の差額について詳しくみていきたいと思います。
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計算してみることが大切!時短勤務の給料計算方法
時短勤務になるのは有難いけれど、給料が下がるのはちょっと困るというママも多いでしょう。
今までの給料と大きく差が出てくるようでは、時短勤務に切り替えることを躊躇してしまうかもしれません。まずは、時短勤務になった場合の給料を、自分で計算してみましょう。
まずは就業規則をチェック
企業ごとに就業規則があり、時短勤務に関する規則も明記されているはずです。基本的には時短勤務は時給で給料を計算できるようになっています。
給料の内訳をみてみると、基本給に残業などの各種手当が付いていると思います。この基本給を勤務時間で按分して、短縮した時間分の給与が基本給から差し引かれることになります。
たとえば、基本給が18万円で通常勤務8時間のところ、勤務時間を6時間に短縮したとしましょう。その計算方法は、以下の通りです。
18万円÷8×6=13万5千円が基本給ということになります。
各種手当の扱い
基本給に加えて、以下のような各種手当が支給されているところがほとんどです。
- 時間外手当
- 役職手当
- 資格手当
- 皆勤手当
- 家族手当
- 通勤手当
- 住宅手当
支給される手当については、勤め先によって異なります。そして、時短勤務に切り替えることで、手当の扱いも企業によって変わってくるのです。考えられる対応は以下の通りです。
- 時短分をカット
- 今まで通り支給
- 支給なし
これは、手当の種類によっても異なります。該当する手当があるときは、就業規則で確認をするか、人事担当者に聞いてみるといいでしょう。
フルタイム勤務との差額は大きい?社会保険料にも注意
子どもが小さいときは手もかかるので、フルタイムで働くのは想像以上に大変です。しかし、時短勤務を選んで手取り給与が減ってしまうのも困ります。フルタイムで勤務するのとどのくらいの差が出てしまうのでしょうか。
手取りで4から6万円が平均
時短勤務で働いた場合、フルタイムで働いた場合の給料の25%減額になるのが平均です。また、同じ職場で長期間勤務していると、年数とともに給料も上がるのが一般的でしょう。
各種手当に注意
基本的に時短勤務はフルタイムの75%の給料になると言われていますが、給与額がもっと下がる場合もあります。それは、各種手当の存在があるからです。
- 残業代
- 育休前は残業も多くこなしていて、それに対する手当ももらっていた場合です。時短勤務で残業ができなくなると、残業代も支給されず、手取りも少なくなります。
- 役職
- 育休前は責任のあるポジションについており、役職手当がもらえていたかもしれません。
しかし、時短勤務で仕事をセーブする必要が出てきた場合、配置換えが行われることもあります。それに伴って手当がなくなると、手取りに響いてしまいます。
他にも、時短勤務によって削られてしまう、もらえなくなる手当が出てきた場合、手取りが大きく減少することになるかもしれません。
社会保険料にも注意
会社勤めをしていると、給与から社会保険料が天引きされています。給与が減額されたとしても、社会保険料の額もあまり減らないことが多いのです。その影響で手取りが大きく減少してしまうことがあります。
時短勤務によって給料が減った分、社会保険料を安くしてもらえるように手続きしてもらいましょう。
また、社会保険料が減ってしまうと、将来もらえる年金額にも影響が出てきてしまいます。それについても、育児による時短勤務者は申請すれば特別措置が受けられるのです。
時短勤務を希望した時点で勤め先が手続してくれると思いますが、忘れていることもありますので人事担当者に確認しておくと安心ですね。
時短勤務を希望しても給料をできるだけ下げないようにするコツ
収入を得るためにもっと働きたい!しかし、育児や家事との両立を考えるとフルタイム勤務は難しいのがママの本音でしょう。そこで、給与を下げないためにはどうすればいいのかそのコツを紹介していきます。
副業する
会社でフルタイムは無理でも、空いた時間を利用した副業で下がった給与分を取り戻しましょう。副業を推奨する企業も増えており、ネットを通じてできる副業も増えています。
時短勤務をしない
育休復帰後もフルタイムで働くママもいます。旦那さんや自分の両親、義理両親の協力が得られるなど、環境が整えばフルタイムでの復帰も可能となるかもしれません。
まずは、旦那さんに相談してみましょう。
転職する
勤め先によって給与の決め方はさまざまです。たとえば、裁量労働制を取り入れているような企業では、結果で給料が判断されますので、勤務時間は給与に影響しないのです。
そのような企業に転職をするというのも手段のひとつとして考えてみましょう。
起業する
自分で会社を起こせば、時短勤務という概念はなくなります。しかし、ビジネスが軌道にのって収入が安定するまでは大変ですし、会社にいたほうが仕事とプライベートをきっちり分けられるかもしれません。
時短勤務選択時の給与を理解し、今後の働き方を考えよう
時短勤務を選ぶことで、収入源になってしまうは仕方のないことです。基本的に子どもが3歳になるまでの期間ですから、その後フルタイムに戻って、今まで通りの収入を得ることができるでしょう。
しかし、第二子や第三子の出産を考えているママにとっては、時短勤務による給料減はダメージが大きいでしょう。
また、住宅ローンを抱えているなどの理由で、短期間でも収入が少なくなるのは困る人もいます。
時短勤務とフルタイムでどれだけの給与差が出るのかを確認し、今後の働き方を考えてみましょう。転職や起業、副業など、収入を維持する方法も見つかるはずです。