現在でも問題視されている求人詐欺。実際に求人詐欺にあってしまい、退職や転職をする事になった、と言いう人もたくさんいます。実際に、求人情報等を見ていた時に、怪しいと感じるものを見た事がある人もいるでしょう。
現在では社会的な問題としてとらえられており、法的な罰則が設けられている他、求人詐欺に関する相談を受け付けている機関も増えています。それでも、求人詐欺は色々な求人で見かけられているのです。
求人詐欺に遭わないようにする為には、求人詐欺の実態や、その特徴を覚えておく事が大切です。これから就職活動や転職活動をする人は、以下の情報をよく読み、怪しい求人には警戒するようにして下さい。
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求人詐欺の内容を知り、怪しい求人に気が付けるようにしておこう
求人詐欺かどうかを判断するには、詐欺の内容等を知っておく必要があります。まずは求人詐欺というものがどの様な物なのかを知りましょう。
求人詐欺とは
求人詐欺とは、求人票に記載されている内容と、実際に働き始めた時の労働条件が異なる事を指しています。実際に働き始めた時に、処遇や給料が違う条件で提示されていた場合、求人詐欺の可能性が高いです。
詐欺同然の求人票で人を集めている企業は、多くはブラック企業です。採用をしても人が来ないか、来ても短い期間で辞めてしまう為に、この様な行為をしている事が多いのです。
求人詐欺の主な内容
求人詐欺の主な内容は、大きく分けて2つあります。
- 他の犯罪目的の求人詐欺
- 実際の労働条件と違う求人詐欺
それぞれの内容について解説していきます。
仕事を始めるという名目で、
- 高額な道具を購入させられる
- 消費者金融等でお金を借りるように指示をする
- 明らかに犯罪行為であると分かる事を強制する
といった場合、犯罪行為が目的の求人詐欺であると判断できます。
この場合、企業にはまじめに人を雇う気はありません。
- お金等をだまし取る
- 犯罪行為をやらせる
といった事が目的となります。
この様な行為をされた場合は、すぐに警察に相談するようにしましょう。
もう一つの、求人票と違う労働条件を提示されるタイプの詐欺は、求人詐欺の中でも特に多いタイプです。
応募し、内定をもらった後に労働条件を確認しますが、この時に求人票と大きく内容が違った場合、求人詐欺となります。
具体的には、
- 求人票にかかれている給与と明らかに金額が違う
- 大量の仕事や残業をさせるのに、残業代を出さない
- 正社員で募集をしていたのに、労働契約がアルバイト扱いになっている
等が当てはまります。
これらは内定をもらい、労働条件を提示されるまでは分からない事が多いです。労働条件を提示されたら、必ず内容に違いが無いか確認しましょう。
求人詐欺に対する罰則
求人詐欺の罰則ですが、罰せられる条件が決まってはいますが、存在しています。
2018年1月に、ハローワークに虚偽の労働条件で求人を出した企業は、以下の罰則が設けられるようになりました。
これは横行する求人詐欺の対策として作られた罰則です。罰則を設ける事で、企業が求人詐欺に手を染めるのを抑止する為に考案されました。
罰則があるとはいえ、『ハローワークに出された求人』と条件が決まっている為、すり抜けようとすればすり抜けられてしまいます。実際に、罰則が作られた後も、求人詐欺に遭った人はたくさんいます。
求人詐欺に対する対処は、国の対応だけでは不十分な状態です。自分達で詐欺の実態を知り、対策をする事が重要なのです。
求人詐欺の対処法はたくさんある!いざという時の対処法
求人詐欺の対処は基本的に自分で行わなくてはいけません。こう言われると不安になってしまいますが、対処法の中には簡単なものもあります。いざという時の為にも、対処法を覚えておきましょう。
労働条件通知書と雇用契約をチェックする
まず、求人詐欺が行われているかどうかに気が付く事が大切です。
内定をもらうと
- 労働条件通知書
- 雇用契約書
をもらいます。
この2つの書類をもらった時によく確認しましょう。求人票にかかれていた内容とこれらの書類の内容が大きく違う場合は、求人詐欺が発生している可能性が高いです。
労働条件通知書は、事業主、つまり企業が労働者となる内定者に、労働条件を明示する為の書類です。中には採用通知書等で代用される場合もあります。労働条件が明示された書類をもらった時は、隅々まで内容を確認しましょう。
雇用契約書は労働者が労働条件通知書の内容をより深く理解する為に発行される書類です。
これらの書類は、署名と捺印をしてしまうとその労働条件に合意したとみなされてしまいます。内容を確認して少しでもおかしいと思う所があれば、担当者に確認してみましょう。
この2つの書類が発行されない場合、問題のある会社である可能性が高いです。就職や労働に関する相談機関に相談した方が良いでしょう。
企業の情報を収集する
企業として運営している以上、何かしらの情報が外に出ています。
- ネット
- 企業で働いている人の声
等から、情報を収集しておきましょう。
企業によっては、検索エンジンで調べると
というような検索候補が出てくる事もあります。
検索候補に出てこなくても、企業の情報が出ていないか調べると、情報が得られる事があります。しっかり調べておきましょう。
また、働いている人や、その人の周りにいる人からも、評判が聞けるチャンスがあれば、詳しく聞いておきましょう。
この他、
- 離職率
- 勤続年数
等を調べると、企業の実態が分かります。
就職四季報等の、情報が載っている雑誌を見てみましょう。
- 離職率が高い
- 勤続年数が短い
- 社員の平均年齢が低い
といった場合、就職詐欺をしている可能性が高いです。
これらの特徴は、ブラック企業にもよくある特徴です。労働環境が良くない為、人が長く居つかないのです。ブラック企業は労働基準法等も守らない事が多いですから、求人詐欺にも手を染めている可能性が高いのです。
企業の情報を前もって手に入れておけば、求人詐欺に応募して時間を無駄にする事は少なくできます。しっかり情報を集めておきましょう。
相談できる機関に相談する
もし求人詐欺に遭ってしまった場合は、求人詐欺の相談を受け付けている機関に相談しましょう。
求人詐欺に関する相談は、以下の機関で受け付けています。
- ハローワーク
- 総合サポートユニオン
- NPO法人POSSE
- ブラック企業被害対策弁護団(詐欺求人相談ホットライン)
それぞれ対応してくれる時間や対応方法が違いますので、注意して下さい。
相談すれば、法的な手助けを受けられる場合もあります。そうでなくても、対応する為のアドバイスをもらえます。困った時は一人で悩まずに、専門機関を利用しましょう。
求人詐欺は意外と身近な問題。少しでも怪しいと思ったら相談を
求人詐欺は様々な業界で起きている問題です。少しでも怪しいと思ったら、しっかり対処をしましょう。自分一人ではどうしようもない時は、専門機関に相談するようにして下さい。