「なので〜」と文頭で使われると、ちょっと違和感を覚えませんか?
あなたのその感覚は、正しいです。「なので」は本来文頭に使う言葉ではありません。
ではどのようにして使うのが正しいのか、本来の意味などを改めて聞かれるとはっきりとはわからないという人もいると思います。
そこで今回は、「なので」の意味と正しい使い方についてご紹介します。
使い方を間違えると非常に失礼になる場合もあるので注意してください。
「なので」の意味は?正しい日本語なのか
「なので」は、意味としては「だから」と同じような言葉で、主に交互で使われる言葉です。
文法上は
- 「だ」(断定の助動詞)
- 「ので」(接続助詞)
この2つが合わさってで来た「連語」だとわれています。
- 接続詞:前後の文章をつなげるために使う言葉で、単独で使う。
- 接続助詞:助詞の一種で前後の文の意味上の関係を示す言葉。
「なので」自体は日本語として間違っているわけではありませんが、使い方や使うシーンを間違えている人は多いものです。
次の章で正しい使い方について解説します。
「なので」の正しい使い方をマスターしよう
「なので」は敬語ではないので、ビジネスシーンにはあまりふさわしくない言葉なのです。
しかも使い方を間違えていたら、「この人、教養がないな」と思われかねないので気をつけたいところです。
「なので」は文頭に使わない
接続詞ではなく接続助詞だということは、文頭で使うのは間違いです。
- 風邪を引きました。なので、本日はお休みをいただきます。
- 野菜は栄養があります。なので、毎日たくさん食べて下さい。
これでは接続詞として使っていることになるので間違いなのです。
ではどうやって使うのかというと、
- 風邪を引きましたので、本日はお休みをいただきます。
- 野菜は栄養がありますので、毎日たくさん食べて下さい。
「なので」は文中で、前の言葉に続けて使うのが正しい使い方です。
目上の人には「なので」を使わない
「なので」はくだけた言い方、口語なので、上司や先輩など目上の人に使うのにはふさわしくない言葉です。
会議が14時から開始です。なので会議室にお急ぎください。
→会議が14時から開始ですので、会議室にお急ぎください。
○○課長は本日お休みです。なので私が代わりにお答えいたします。
→○○課長は本日お休みですので、私が代わりにお答えいたします。
文頭に「なので」を使わないように気をつけてください。
面接でももちろん使わない
目上の人に使わない言葉ですから、当然面接などでも使ってはいけません。
→私は几帳面な性格ですので、〜
→私は几帳面な性格です。ですので、仕事も〜
「なので」は前の文章につけてつかうか、「ですので」など別の丁寧な接続詞に言い換えます。
言い換えについては次の章で詳しくご紹介します。
普段の会話で使うのはOK
「なので」はビジネスシーンや改まった席で使うのはふわさわしくありませんが、話し言葉として普段使う分にはとくに問題ないとされています。
昔は「なのでは接続詞ではない」というのが通説でしたが、最近の辞書では新しい使い方として紹介されていることもあります。
ですから、同僚や後輩などとの会話で使うならOKでしょう。
「なので」を接続詞に言い換える場合
文頭で「なので」を使わないようにするために、言い換えの用法を知っておくと便利です。
「ですので」
「ですので」は丁寧な言い方なので、たいていはこれで通用します。
話し言葉でも書き言葉でもOKです。
「そのため」
理由を説明したい時には「そのため」がふさわしいかもしれません。
- 15歳まで海外で生活をしておりました。そのため、英語はネイティブレベルです。
- 必要項目の記載が漏れております。そのため、こちらの書類は無効となります。
これも「ですので」と同じように、言い換えやすい言葉です。
「したがいまして(したがって)」
少しあらたまった言い方です。
「したがいまして」でも「したがって」でもOKです。
「ですから」
「ですから」は、少し断定的な言い方になります。
- 明日は有給をいただいております。ですので、電話対応はできません。
- 明日は有給をいただいております。ですから、電話対応はできません。
2つを比べると、少し後者の方がきつい感じになるかと思います。
「明日は休みなんだから、絶対電話なんかでない!」という、強い意思表示を感じます。
「だから」
これは話し言葉、同僚や後輩に限ってですが、「だから」への言い換えも可能です。
上司など目上の人には失礼になりますので、使わないでくださいね。
「なので」を正しく使ってビジネスシーンでも印象アップ
若い人の間、または友達同士の間では当たり前のようになっていることでも、ビジネスシーンではふさわしくないとされることは多々あります。
「なので」の使い方も、改めて知ったという人もいるのではないでしょうか。
ちょっとしたことかもしれませんが、正しい日本語、美しい日本語を使うことで、あなたの印象もアップします。
会社の中ではうっかり「なので」と言ってしまわないように、気をつけてくださいね。