お辞儀は、仕事で必ずといって良いほど行われる動作の一つです。
そんなお辞儀にもいくつか種類があり、目的や状況によって使い分ける必要があります。一見、常に深々とお辞儀をしていれば問題ないようにも思えますが、場合によっては、相手に仰々しい、堅苦しい印象を与えてしまうかもしれません。
また、お辞儀は相手への敬意や歓迎を表し、相手に好意を持ってもらうために行います。そのため、お辞儀をする時には、マナーとして注意することがあります。せっかくのお辞儀が、相手に不愉快な思いをさせてしまっては台無しです。
ここでは、お辞儀のマナーについて紹介します。自然でスマートなお辞儀を身につけましょう。
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お辞儀は姿勢が大事!まずは、基本姿勢から身につけよう
お辞儀をする時は、姿勢を正すことから始めます。猫背や、片足に重心がかかったままでは、きれいなお辞儀はできません。みなさんも、普段の自分の癖がないか、鏡を見るなどしてチェックしてみてくださいね。
基本姿勢1:立った姿勢でお辞儀をする場合
立った状態でお辞儀をするときは、以下を意識し、姿勢を正してみてください。
- 背筋を伸ばす
- 背筋を伸ばす動作としておすすめなのが、ラジオ体操第一の一番初めの運動です。「腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動」は、猫背がちな人も腕を回すことで胸が開かれ、背筋も伸びてきれいな姿勢になります。
また、壁に後ろ全体をくっつけて、自分の姿勢をチェックするのもおすすめです。姿勢の良い人は、頭、背中、お尻の3点が壁につきます。自宅などで試してみて、その時の身体の状態を覚えておき、お辞儀の前に姿勢を整えられるようにしましょう。
- 足をそろえる
- かかととつま先をそろえます。つま先は少し開いてもOK。どちらかに重心が偏らないように気をつけましょう。
- 手を前で組む
- 手は前で組みます。後ろで組むと旺盛な態度に移りますので注意しましょう。下になる手の指先を、反対の手で隠すように組みます。
手を組む位置は、不自然に映らないよう、おへそよりも下で組みましょう。
- 目線はまっすぐ前を向く
- 目線はまっすぐ前です。目線が泳いでいたり、下を向いているとどこか落ち着きがない、頼りない印象に映ります。
基本姿勢2:座った姿勢でお辞儀をする場合
座った状態でも、上半身は立った姿勢と同様です。背筋を伸ばし、足をそろえて座ります。以下が立っている時と異なる点です。
- 手の位置
- 手を組んで太ももの中央におきます。
- 膝
- 両足の膝頭をつけます。膝頭の間が開いていると、だらしない印象になりますので注意してください。
お辞儀には「語先後礼」と「同時礼」がある。場面で使い分けよう
お辞儀には、挨拶をしてからお辞儀の動作をする「語先後礼」と、挨拶と礼を同時に行う「同時礼」があります。
語先後礼は、丁寧なお辞儀であり、接客業では語先後礼が基本です。また、社内でも語先後礼で挨拶をされると礼儀正しい印象を受けますが、一方で堅苦しい印象を与えてしまうことも。
お辞儀のテンポは、ファストイン・スローアウトを意識しよう
ファストイン・スローアウトとは、頭を下げる時は素早く下げ、戻る時はゆっくり戻すお辞儀の仕方です。ペコペコと頭を何度も素早く下げるお辞儀は、日本だけでなく海外の人からも、落ち着きがない印象を持たれます。
これから紹介する3種類のお辞儀も、4つのテンポでファストイン・スローアウトを心掛けていると、丁寧な美しいお辞儀に映ります。
- 1で頭を下げる
- 2でそのままキープ
- 3、4でもとに戻る
お辞儀は3種類ある!15度、30度、45度をしっかり身につけよう
お辞儀には会釈、敬礼、最敬礼の3種類があります。それぞれ、場面に応じて角度が変わり、これは立った状態、座った状態のどちらでお辞儀をする時も、同様です。
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- 15度のお辞儀:会釈
- 軽いお辞儀です。上体を15度傾けます。
部屋の入退室や廊下でのすれ違いざまの挨拶、お茶を出す時に使います。
- 30度のお辞儀:敬礼
- 一般的な挨拶です。上体を30度傾けます。
お客様を出迎える時や、目上の人への挨拶に使います。
- 45度のお辞儀:最敬礼
- 最も丁寧なお辞儀です。上体を45度傾けます。
お詫びや無理なお願い事、丁寧にお礼を述べる時に使います。
- 姿勢を正し、基本姿勢を意識する
- 頭から腰まで一色線になるように倒す。首だけ曲げない
- 顔を上げたままお辞儀しない
- お辞儀の前後に相手を見る。お辞儀の時は、目線は下げる
お辞儀が美しい人は挨拶も大事にしている。挨拶で心掛けること
挨拶はコミュニケーションの第一歩です。お辞儀と挨拶はセットで行われますので、挨拶にも気を配らなくてはいけません。いくら正しいお辞儀をしていても、挨拶がきちんとできない人は、相手に不快感を与えてしまいます。
また、挨拶はその場の状況に合わせて使い分けましょう。発する言葉に合わせて、表情も意識しましょう。
- 相手にアイコンタクトを送ってから挨拶をする
- 相手に聞こえるような声ではっきりと、心をこめて
- 歩行中でもいったん立ち止まってからお辞儀をする
- 作業しながらのお辞儀はダメ。手も止めてから挨拶をする
- 目的や状況に応じて顔の表情を使い分ける
お辞儀の角度を意識しつつ、心を込めて挨拶しよう
もし誰かに、朝からとびきりの笑顔で、元気のよいお辞儀と挨拶をされたら、皆さんはどう感じますか?
著者なら、身が引き締まる思いとともに、前向きな気分になります。素敵な挨拶は、ただのコミュニケーションとしての用途だけではなく、相手に良い影響を与えることもできるのです。
お辞儀や挨拶といった基本的な動作は、慣れてくると適当になってしまうものです。礼儀正しさ、誠意を感じるお辞儀は心がこもっていて、それが相手にも伝わります。
状況に即した正しいお辞儀と挨拶を身につけて、日常で実践しましょう。