「お気になさらず」という言葉を使ったことはありますか?特に目上の人がこちらにしてくる謝罪に対して「気にしていませんよ」という意味あいで使うことが多く、無意識に使っているという方もいるかもしれません。
この記事では「お気になさらず」の使い方をメインにご紹介していきます。また、補足として「お気になさらず」以外の別の言い方も紹介します。「お気になさらず」は相手を気遣う言葉としては使いやすいですが、気にしていませんという意味だけにはとどまりません。
「お気になさらず」という言葉をなんとなく使っているという方はもちろん。改めて知っておきたいという方も、しっかりと使い方をマスターして業務を円滑にしていきましょう。
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「お気になさらず」の使い方!「大丈夫」以外にも意味あり
「お気になさらず」という言葉は「気にしないでください」の丁寧語にあたります。「大丈夫」「問題ない」という意味を込められるので、どんな場面でも使えるといえます。
たとえば自分のことを心配しなくても良いという気持ちで伝えるだけでなく、相手の思いやりに対して、気を遣わなくても大丈夫と伝えるときにも使っていきましょう。
「お気になさらず」以外の別の言い方
「お気になさらず」には別の良い方があります。それは、
- お気遣いなく
- お構いなく
- お気持ちだけいただきます
といったものです。どれも相手の気遣いに対して大丈夫と伝えるものですが、言葉が足りないと冷たい印象になってしまいます。この場合「○○なので、どうぞお気遣いなく」など、理由を言ってから使っていきましょう。
「お気になさらず」を状況に合わせて使い分けよう
では、「お気になさらず」をどう使い分けていくのが良いでしょうか。3つのシチュエーションと、メールでのやりとりを見ていきます。
目上の人から謝罪を受けたとき
ビジネスシーンでよく使用されるのが、取引先や上司など目上の人から謝罪を受けた場合。慌ててしまうと「大丈夫です、問題ありません」とその場で言ってしまいそうですが、少し失礼な印象を与えてしまいます。
ここでしっかりと、「お気になさらず」という言葉を使うことで、ミスに対する印象を緩和させていきましょう。また同時に、相手の感じている申し訳なさをこちらが配慮していることを表すことができます。
さまざまな場面で相手に気を使われたとき
こちらもビジネスシーンで多用されます。たとえばお客様の自宅へ訪問した際に受ける「どうぞおあがりください」といった挨拶の後、「お気になさらず、こちらで結構ですので」などと返答ができます。
この場合、「ご心配なく、大丈夫です」という意味合いを込められます。もちろん自宅訪問だけでなく、取引先や会社内などで気遣いを受けた際に使っていくことができます。
接待や茶菓を穏やかに断るとき
取引先で接待や茶菓を出されるなどおもてなしを受けたとき、遠慮する際にも使うことができます。「結構です」「お構いなく」といったひと言では冷たい印象や不快感を持ってしまうので、「お気になさらず」の言葉を使いましょう。
帰り際になにか持たせてくれるのを断る際にも使えます。そのとき「お気になさらず」のひと言だけでは「持ち帰るのはイヤ」という印象が伝わってしまうので、「お気になさらず」の後に「お気持ちだけでも頂戴します」といった言葉をつけ足しましょう。
文章でのやり取りは慎重に
たとえば目上の方からの謝罪がメールだった場合、「お気になさらず」という言葉は「お気に留められませんようお願い申し上げます」に変えましょう。
こちらの口調や表情が伝わらないので、表現の難しい部分でもありますが、「こちらにも見落としがありました」などのミスに対する印象を和らげる文章を交え、「大丈夫です、ミスは気にしていません」という気持ちを伝えていきましょう。
正しく使いこなして、気配り上手になろう!
ここまで「お気になさらず」の使い方を見てきましたが、参考になりましたか?「お気になさらず」は、相手の好意を気遣う言葉ですが、「お気になさらず」だけを使わず「お気遣いなく」など言葉を言い換えて使っていきましょう。
文章の場合は言葉選びを慎重に。表情が伝わらないので、「大丈夫。気にしていない」という意味合いをしっかり文章で表現していきましょうね。