最近は、パートの採用面接でも筆記試験を課す企業が増えてきました。パートなのに筆記試験…と憂鬱になっている人もいるのではないでしょうか。
たしかに、試験と名のつくものからは遠ざかって早何年、という人が多いと思うので、試験といわれただけでどうしようかと不安になってしまうかもしれません。
でも、安心してください。パートの筆記試験にはどのような問題が出されるのか、どうやって対策をすればいいのか。それさえ知っていれば慌てることはないですよ。
今回は、パートの筆記試験対策についてお話しします。しっかり対策をして、当日は自信を持って試験に臨みましょう!
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どんな問題が出るの?パートの筆記試験対策
筆記試験なんていうとちょっと身構えてしまう方が多いと思います。大人になると試験を受けるなんてことがないですから。
レベルとしては、義務教育レベルの内容が多いようです。
算数や国語、時事問題などですが、高校受験レベルの難解な問題は出されないでしょう。
ただ、筆記試験があると明記している会社もあれば、面接に行ったらいきなり筆記試験だった、というパターンもあるので気が抜けないところです。
漢字の読み書き
漢字は読めてもかけなくなっている人が多いです。パソコンやスマホなどで「入力」することばかりしていると、手で漢字が書けない。覚えがありませんか?
ちなみに5級で小学校6年生程度のレベルになります。
部首とか書き順とか、そこまで細かい知識は必要ないと思いますが、四字熟語や同音異義語などはさらっとおさらいしておいた方が良さそうです。
◆例題:正しいものはどれでしょう
- 税金をおさめる:納める、収める、治める
- 恩師をたずねる:尋ねる、訪ねる
- 人工えいせい:衛生、衛星
◆次の四角に入る文字を答えなさい
- 温故□新(おんこちしん)
- 一□一会(いちごいちえ)
- 本□転倒(ほんまつてんとう)
普段の会話で使わなそうな言葉も出てくるので、試しに子ども用の漢字ドリルをやって力試しをしてみてくださいね。
簡単な計算
計算問題は公式などを覚えていなくても出来る問題が出されますから、「算数が苦手なのにどうしよう」と不安になることはありません。
ただ、基本的な計算の方法を忘れているとうっかりミスをするかもしれないですね。落ち着いて試験に望むことが大切です。
足し算や引き算など簡単な問題でも、時間制限があると焦ってしまいます。
「3分以内に何問解けるか」というような問題だと、余計に慌ててミスをしやすくなるので注意が必要です。
面接の試験ではないのですが、以前私がアロマテラピーの授業を教えていたセラピストのスクールで、試験の時にほとんどの方が「濃度の計算」が出来なくて困っていました。
「精油と混ざったオイルが10mlあります。濃度が15%のとき、精油は何滴になるでしょうか」という問題がありまして、これは精油1滴を0.05mlで計算するんですけれども、
1.5÷0.05=30滴(精油の滴数)
この計算が出来ない人がほとんどだったんです。
一つ目の精油の量を出す計算は出来る。しかし、次の「0.05で割る」というところが出来ない。
少数を使った割り算が出来なくなってしまっていたんです。電卓でやれば簡単ですけれど。
時事問題、一般常識
それほど難しく考える必要はありません。普段、ニュースや新聞でトップに出てくるニュースなどに関心を持っていれば大丈夫です。
ただ、ここで大事なのは、何もニュースの内容を覚える必要はないということ。採用担当者は、ニュースの内容を知りたいのではありません。
時事問題で注意したい点が2つあります。1つは、応募する仕事の業界に関するニュースはチェックすること。
例えば、スーパーのレジだったら「消費税10%の導入はいつから?」なんてことは知っておきたいですよね。
パートといえども、業界や企業の研究をしっかりしている人は合格する可能性がグンと高まります。
2つめは、ニュースを見ていてわからないことがあったら、きちんと調べておくことです。
とてももったいないので、気になったことは調べるクセを付けておくといいと思います。
敬語の使い方
敬語の使い方も、うっかりしていると忘れているかもしれないですね。ビジネス敬語の本などを見て、おさらいしておくといいと思います。
◆例題:正しいものを選びなさい
- (A)お越しになられる:(B)お越しになる
- (A)お休みいたします:(B)お休みさせて頂きます
- 「行く」の尊敬語:いらっしゃる、参る、伺う
- 「言う」の尊敬語:おっしゃる、申す
最近多いのが、丁寧だと思っているけど実はそれは敬語ではない、というもの。
- お名前を頂戴できますか→お名前を伺ってもよろしいですか
- 電話番号を頂けますか→電話番号を教えて頂けますか
名前も電話番号も「もらう」ものではないからです。普通に言ってもいいところを、丁寧にいおうとして間違えているケースが結構あるので注意が必要です。
英単語
英単語はあまり出されないかもしれませんが、英語が必須の仕事でない限り、本当に一般常識程度の言葉を知っていれば大丈夫。
満点でないからといって、それを理由に落とされることはありません。
適性検査
適性検査とは、知識を問う問題ではなくて、性格だとか価値観、考え方などを見る問題といえばいいでしょうか。
- 1→2→4→( )→16→32
のように法則を見つける問題など、ものの見方が問われます。
また、「このような場合、どうすればいいと思いますか」というような質問に対して、いくつか用意されている回答から選ぶ、というような問題も出ます。
その業種に応じた問題が出されることも
漢字や計算の簡単な問題でも、応募しようとしている業種に応じた問題が出されることもあります。
例えば、かっこの前のひらがなを漢字に直します。
- 今日のうりあげ( )は昨日の2倍だった。
- でんぴょう( )の整理をする。
また、消費税の計算なども出題されやすいです。
- 次の価格に、消費税8%を加算した金額を出しなさい。
- 税込で3240円の商品の元の価格はいくらですか。
それほど高度なことが出来なくても大丈夫ですが、例えばレジの仕事に応募しようとしているのに簡単な計算が出来ないとちょっと合格するのは難しいかもしれません。
もしこの仕事をするなら必要なスキルは?と考えてみることが一番の対策かもしれません。
問題集をやってみる
これまでご紹介した通り、難易度としてはそれほど難しい問題が出るわけではありません。
ですから、それほど心配しなくても大丈夫ですが、もし不安な場合は小中学生の問題集などをやってみるといいと思います。
時事問題などについては就活用のものがでていますから、そういったものを参考にするといいかもしれないですね。
パートと正社員の違い、それは「働く時間」だけ
パートだから仕事が軽いとか、一般常識がなくてもいいと考えてはいけません。パートタイムでも勤務時間が短いだけで、やっている仕事の内容は正社員と同じ、という人もたくさんいます。
今は法律も変わり、同じ仕事をしているのであれば、パートタイムも正社員と同様の待遇が受けられるようになっています。
つまり、正社員とパートタイムの違いは働く時間の違いだけ、ということだってあるということです。
ですから、「パートだから」という意識で面接に望むと、本当にやる気があって勉強してきている人にはかなわないかもしれません。
試験結果よりも人柄重視。あくまでも参考程度なので安心して
そうはいっても、パートタイムの面接時に行われる筆記試験は、そこまで重視されていないので安心してください。
もちろん、0点ではちょっと厳しいかもしれませんが、逆に試験が出来たからといって面接でも合格するかというとそうではありません。
企業側としてはあくまでも「人柄を重視」しているところが多いです。筆記試験は参考程度、やはり面接でどれだけしっかりと熱意を伝えられるかということが大事になってきます。
面接に望むにあたっては自分のスキルや志望動機などを説明できるように練習しておくとともに、「この人、筆記試験もすごく出来てるね」といわれるようにしっかり準備はしておきたいですね。