学生さんを中心に、多くの人が就いているアルバイト。何気なく使っている言葉ですが、その意味を知っていますか?アルバイト、という言葉の本来の意味はもちろん、法律的な意味や扱いについても知らない人は意外と多いです。
アルバイトは働く人、つまり労働者の一種ですが、他の労働者と同じ扱いになる所もあれば、違う扱いになる所もあります。働く上でのトラブルを避ける為には、こうした違いについても知っておく必要があるのです。
アルバイトの意味や扱いの違い、そこから生まれるメリットとデメリットを解説していきます。現在アルバイトとして働いている方、アルバイトとして働く事を検討している方は、ぜひご覧下さい。
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アルバイトとは『労働』の事。言葉が差す意味を知っておこう
アルバイトとは、そもそもどのような意味なのでしょうか。働く上では、本来の意味よりも法律的な意味の方も知っておきたい所です。アルバイトという言葉が差す意味や、違いについて知っておきましょう。
アルバイトの意味
アルバイトとは、ドイツ語で『労働』という意味の言葉から作られた外来語です。本来のドイツ語にはありませんが、日本では短時間・短期間だけ働く労働者を指す言葉となっています。
元々、明治時代の学生が生活費や学費を稼ぐ労働を、ドイツ語の労働を意味する言葉である『アルバイト』と呼ぶようになったのが語源と言われています。意外と長い歴史を持つ言葉なのです。
法律上の『アルバイト』とは
では、短時間・短期間で働く人を指すアルバイトですが、法律上はどの様な扱いになっているのでしょうか。
アルバイトは企業と雇用契約を結び、働く『労働者』の一つです。アルバイトは短時間労働者に関する法律である『パートタイム労働法』という法律において、『パートタイム労働者』と定められています。
パートタイム労働者とは
と定めています。アルバイトはこの条件に当てはまる為、パートタイム労働法によって労働のルールが決められているのです。
正社員との違い
正社員とアルバイトには細かな違いがありますが、違いを簡単にまとめるとこの様になります。
- 正社員 → 雇用期間に制限が無い
- アルバイト → 雇用期間や時間に制限がある
正社員の場合、定年を迎えるか退職するまで企業で働き続ける事ができます。
その為、
- 労働時間
- 任せられる仕事の範囲
- 給与や手当
等、アルバイトとは違う部分がたくさんあります。
アルバイトは法律上、正社員よりも短い労働時間で働く雇用契約です。その為、任せられる仕事の範囲が正社員よりも狭められていたり、労働時間や給与等にも違いがあったりする事が多いです。
労働時間は法律の取り決め上、短めな事が多いですが、それ以外の部分は正社員もアルバイトも、労働基準法に沿って管理されます。
仕事内容や範囲に関する法律上の違いはない為、長く勤めているアルバイトの人の中には、正社員と変わらない仕事を任せられている場合もあります。
また、
- 社会保障
- 有給休暇
等も、正社員と同じ様に権利があります。
それぞれもらう為には条件を満たす必要がありますが、その条件を満たせば、社会保険や有休を使う事もできます。アルバイトである事を理由に、これらの権利を使わせない場合、法律違反となります。
正社員とアルバイトは働く時間が違い、それによって任せられる仕事や給与に違いが生まれている事もありますが、基本的な権利は同じ、と覚えておきましょう。
アルバイトの意味だけでなく、メリットとデメリットも覚えておこう
アルバイトの意味をただ知っているだけでなく、メリットとデメリットも知っておくと、仕事選びの時に役立ちます。基本的な意味やその知識だけでなく、アルバイトという働き方の利点等も覚えておきましょう。
アルバイトのメリット
アルバイトのメリットは働く時間や働き方の自由さにあります。
主なメリットをまとめると、以下の様になります。
- 働く時間や曜日を選べる
- 仕事の掛け持ちが可能
- 短期の仕事がある
- 辞めやすい
- 求人が多い
それぞれのメリットについて解説していきます。
アルバイトは正社員の様に、働く時間が完全に決められている訳ではありません。
- 働く曜日
- 働く時間帯
をある程度自由に選ぶ事ができます。
副業が禁止されている所でない限り、他の仕事を持っていてもそれによってペナルティをもらう事がありません。短期の仕事等、一定期間だけ働きたい時に働けるような求人が出ている場合もあります。
契約上、正社員の様に責任のある仕事を任せられる事が少ない為、辞める時も気軽に辞める事ができます。もちろん、引継ぎやシフト調整等がある為、ある程度辞める準備は必要ですが、正社員に比べその準備も簡単である事が多いです。
多くの企業がアルバイトの求人を出しており、様々な求人が常に存在しています。
- 業種
- 仕事内容
- 働く期間
- 時給
等、様々な条件で仕事を探す事ができるのも、アルバイトの大きなメリットといえます。
アルバイトのデメリット
働きやすく、良い所が多いアルバイトですが、デメリットも存在しています。
- 正社員に比べ給与が安い所が多い
- 昇給や賞与が無い事が多い
- 手当や福利厚生等の支援に制限がある
- 安定性がない
- 仕事内容が限られている
これらのデメリットは人によっては大きな問題となる事もあります。
アルバイトはその雇用形態上、どうしても正社員よりも給与が低くなりがちです。また、昇給や賞与といった給与も、全く無いか、正社員よりも少ない額で設定されている事が殆どとなります。
アルバイトは働く時間が短い分、人件費が正社員に比べて控えめです。だからこそ、求人が多く出回っているのです。アルバイトで正社員の給与を超える程稼ぐ事は難しいといえるでしょう。
また、もらえる手当や福利厚生の利用において、制限がある場合もあります。交通費等、働く上で必要な手当てはもらえますが、それ以外の手当てはまずもらえないとみていいでしょう。福利厚生も、アルバイトでは使えない場合があります。
アルバイトはシフト制で働く為、シフトによって給与に差が生まれます。収入が安定しないのです。
その為、社会的な信用も低く、
- クレジットカード
- ローン
等の審査が通らない場合があります。
また、アルバイトは働く時間が正社員よりも短い上に、責任も違います。職場によっては、限られた範囲の仕事しか任せてもらえない事もあります。
色々な仕事に携わりたい人や、責任感のある仕事がしたい人には、アルバイトは向かないのです。
アルバイトという言葉にはたくさんの意味が含まれている
アルバイトという言葉には色々な意味があります。意味を正しく理解し、そこから生まれる長所と短所についても、しっかり考えられるようになっておきましょう。