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厚生年金の加入条件、パートの場合はどうなるの?

更新

パートをする際、手取り収入が減らないように気を付けて働く方も多いですよね。一番手取り収入が減るのは厚生年金に加入する、つまり社会保険に加入する場合です。
「私はパートだから関係ないわ」、と思っていませんか?実はパートでも一定の条件に当てはまると厚生年金に加入しなければなりません。
では、一体いくらまでなら厚生年金に加入しなくても良いのでしょうか。
また、厚生年金に加入すると何がメリットで何がデメリットになるのか、事例を交えて説明します。

厚生年金がある場合と、ない場合では何が違うの?

厚生年金に加入すると自動的に健康保険にも加入となるので、それまで夫の扶養に入っていた方も自分で支払うことになります。

厚生年金に加入すると将来の年金が増えます

夫の扶養の場合は将来「老齢基礎年金」しかもらえませんが、自分で厚生年金に加入していると、「老齢基礎年金+老齢厚生年金」がもらえるため将来のもらえる金額がUPします。

万一の際の保障が手厚くなります

厚生年金に加入すると、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。また、障害等級が3級の場合でも年金が支給されるため、万一の際に手厚い保障が受けられます。

手取り収入は減ります

社会保険に加入となるため、毎月の給料から社会保険料が天引きされて手取り収入が減ります。住民税も増えます。

夫の税金が増える可能性があります

自分の収入金額によっては、夫が今まで受けていた「配偶者控除」または「配偶者特別控除」という控除がなくなるため、夫の税金が増えることになります。従って世帯全体の手取り収入が減ることになります。

「配偶者控除」は年収150万円までの妻がいる場合に受けられる控除で、「配偶者特別控除」は年収約201万円までの妻がいる場合に受けられ、年収の金額によって夫の所得から控除できる金額が変わります。

厚生年金の加入条件とは?パートでもあてはまる?

パートでも一定の条件に当てはまると厚生年金に加入しなければなりません。大きくは、年収106万円以上で加入義務がある人と年収130万円以上で加入義務がある人に分けられます。
では、それぞれその条件に当てはまる人とはどんな人でしょうか。
なお、週30時間以上働く場合は必ず厚生年金に加入となります。

年収「106万円」以上で厚生年金に加入するパート

次の条件に当てはまる人は、年収が106万円以上で厚生年金に加入となります。
ケースⅠ:従業員数501人以上の企業で働いていて、以下の全てに当てはまる

  • 週20時間以上働いている
  • 月給が88,000円以上の場合
  • 1年以上、継続して働く場合
  • 学生ではない

ケースⅡ:従業員数500人以下の企業に勤めていて、さらにケースⅠと同条件の場合で以下のいずれかに当てはまる場合

  • 国や地方公共団体に勤めている場合は必ず加入
  • 民間企業でも、雇う側と働く側で厚生年金に加入する同意がある場合
ケースⅡの場合で雇う側と働く側の合意がある場合は、任意で厚生年金に加入できますが、あまり多くはないケースでしょう。厚生年金に加入の場合、会社側の負担も増えるからです。

年収「130万円」以上で厚生年金に加入するパート

年収「106万円」以上で厚生年金に加入するパートの条件には当てはまらないが、次の条件のいずれかに当てはまると年収130万円以上で厚生年金に加入となります。

  • 月収が108,333円以上の場合
  • 労働時間が正社員の4分の3以上になる場合
年収が130万円未満でも月収が108,333円を超えると厚生年金に加入となります。月によって収入の変動が大きい場合は、3か月の月収平均が108,333円を超えると厚生年金に加入となります。

働いている場所によっては厚生年金に加入しないケースもある

厚生年金には「任意適用事業所」と言って、厚生年金の加入が義務ではない勤め先があります。次のような勤め先では、厚生年金の加入が義務ではありません。

従業員数が常時5人未満で、勤め先が個人事業主の場合

個人が運営している勤め先で、従業員数が常時5人未満であれば厚生年金への加入義務がありません。
従業員数が5人未満であっても、法人(会社)の場合は必ず厚生年金に加入する事業所となるので、自分が条件に当てはまれば厚生年金に加入となります。

従業員数は5人以上だが、次の業種で個人事業主の場合

個人が運営している勤め先で、主に次の業種の場合は従業員数が5人以上でも厚生年金への加入義務がありません。

  • 神社や寺など宗教
  • 弁護士、税理士などの士業
  • クリーニング業、ホテル、理美容などのサービス業
  • 農業や水産業など
上記以外にも加入が義務でない業種はあり、日本年金機構のホームページから調べることができます。

パートが厚生年金に加入するメリットとデメリット

では、パートが厚生年金に加入する際のメリットとデメリットは何でしょうか?

メリット デメリット
年金が増える 手取り収入が減る
万一の際の保障が手厚い 夫の税金が増える

メリット①年金が増える

夫の扶養のままや国民年金の支払いだと将来は「老齢基礎年金」しかもらえませんが、自分で厚生年金に加入することで、将来「老齢厚生年金」も上乗せされるのでもらえる年金額が増えることになります。
どのくらいもらえるかは、「年金見込額試算」として日本年金機構のホームページで試算ができます。

メリット②万一の際の保障が手厚い

厚生年金に加入していると「障害基礎年金+障害厚生年金」がもらえるため支給額が増えます。
また、比較的軽い障害等級3級は、障害厚生年金でないと支給されないため、厚生年金に加入している時のみもらえます。夫の扶養や国民年金の場合、3級は支給されません。

デメリット①手取り収入が減る

厚生年金に加入すると毎月の給料から社会保険料が天引きされるため、手取り収入は大きく減ります。また、厚生年金に加入すると健康保険料の支払いもあるため、その分も差し引かれます。さらに所得税もかかってきます。
例えば、

  • 平成30年7月
  • 月収11万円
  • 40歳未満
  • 扶養は無し
  • 会社所在地が東京都

という条件の場合、
保険料5,148円+厚生年金9,516円=14,664円
となり、社会保険料だけ考慮した場合でも年間18万円近く手取り収入が減ります。

デメリット②夫の税金が増える

平成30年度から配偶者特別控除の拡大により、妻の年収が150万円以下の場合は夫の所得から最大で38万円を差し引けます。そのため妻の年収が150万円を超えると夫の所得から最大38万円が引けなくなり夫の税金が増えることになります。
ただし、妻の年収が約201万円までなら配偶者特別控除が受けられるように拡大されたので、妻の収入によって金額は変動しますが夫の所得から配偶者特別控除を差し引けます。妻の年収が約201万円を超えると、夫の所得からは一切配偶者に関わる控除が引けません。
例えば、妻の年収が140万円の場合と170万円の場合で見てみると下記の様になります。

妻の年収140万円 妻の年収170万円
夫の最大所得控除額 △38万円 △21万円
配偶者控除も配偶者特別控除も、夫の所得によって差し引ける金額が変わってきます。控除ができる夫の所得に上限があるため、夫の所得が一定以上の場合は、いずれの控除も差し引けません。

手取り収入が気になる人は厚生年金の加入に気をつけよう!

いま世帯全体での収入を減らしたくない場合は、妻の収入に気をつけて夫の扶養から外れないようにしましょう。
妻の勤め先により、いくらまで夫の扶養内かが変わってくるので、事前に確認すると良いですね。

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