『サイレントクレーマー』という言葉をご存知でしょうか?コールセンターやお客様窓口等で働いた事のある人なら、一度は耳にした事がある言葉です。
このサイレントクレーマーは、普通のクレーマーとは違います。こちらに直接何かを言ってくるようなクレーマーとは違いますが、お店の状況によっては、かなり深刻な問題を作り出してしまう可能性があるのです。
接客業の様に人と接する事が多い仕事では、このサイレントクレーマーを少しでもなくす事が大切になります。その為には、お店で働いている店員の一人一人が対策を講じていく必要があるのです。
今回は、サイレントクレーマーの基礎知識と、対処法を紹介します。接客業についている人、特に、仕事で高いクオリティを維持したい人に役立つ内容となっています。ぜひご覧下さい。
Contents
サイレントクレーマーとは、接客業にとって頭の痛い問題
そもそも、サイレントクレーマーとはどの様な人達なのでしょうか。普通のクレーマーとの違いや、そこから分かる問題点を解説していきます。
直接クレームを言わず、口コミでクレームを言う人達
サイレントクレーマーとは、『サイレント』と名前についている通り、直接クレームを言ってくる人達ではありません。
サイレントクレーマーは、お店や商品に不満があると、購入やお店の利用をやめ、口コミサイト等にそのお店や商品の悪評を書き込む人達の事です。
普通のクレーマーなら、困った点や不満点を直接お店に伝えてきます。しかし、サイレントクレーマーは直接クレームを言わず、クレーム内容を評価サイト等に書き込み、周りの人にクレームを伝えます。これが普通のクレーマーとの大きな違いです。
特徴から、会社やお店から分かりにくい
サイレントクレーマーは
- いつの間にかお客さんをやめている
- クレームをお店に直接言わず、周りに広める
といった特徴があります。
この特徴には非常に困った点があります。
- 会社やお店が、クレームの内容を知る事が出来ない
- サイレントクレーマーのクレームが、悪評としてお店の周りに広まっている
といった点です。
お店はクレームを知らない為に、クレーム内容の謝罪も改善もできません。その為、問題に対処できるようになるまで時間がかかります。その間に広まった悪評によって、他のお客さんの足も遠ざかってしまうのです。
サイレントクレーマーが評価サイト等に書いた悪評によっては、お店の責任を問われる様な、大きな問題に発展する場合もあります。サイレントクレーマーはとても怖い存在なのです。
サイレントクレーマーの対処法を覚えて、職場を守ろう!
いつの間にか問題が大きくなるという、怖い特徴があるサイレントクレーマーですが、対処する方法はあります。
こちらからクレームがちゃんと見える訳ではない分、完全に防ぐのが難しいです。しかし、普段から対策をしていれば、大きな問題を防ぐ事はできます。
これらの対策法はお店とお客様の関係をよくする効果もあります。普段の仕事の中で、出来そうなものから取り掛かってみましょう。
自分の仕事によくあるクレームは事前にチェック
どの仕事でも、ある程度はクレームが生まれるものです。自分の仕事にはどんなクレームが良く来るのか、事前に調べてみましょう。
- 業界のクレーム集
- 過去お店に来たクレーム事例
等、自分の仕事に関係するクレームを調べる資料は複数あります。出来るだけ多くの資料をチェックしましょう。
クレームを一通りチェックすると、ある程度共通点が生まれます。
- 自分のお店はその共通点に当てはまっていないか
- クレームが生まれやすいポイントはどこか
を分析し、事前にクレームが起きないように対策をしておくのです。
これにより、クレームを事前に防ぎ、サイレントクレーマーの発生をある程度抑える事ができます。
クレームが生まれやすい箇所は事前チェックの習慣を
クレームは日々色々な所で発生します。
- お店の中で汚れやすい場所や汚れが目立つ場所
- お客様の不満が起こりやすい場所
- 従業員の身だしなみや言葉遣い
この様に、どの業界でもクレームをもらいやすい場所があります。
こうした所は事前にチェックする習慣を身につけましょう。定期的にチェックする事で、クレームが起こる前に問題点に気が付く事ができます。チェック時に問題点に気が付いたら、すぐに修正しましょう。
この事前チェックは
- お店の設備や備品のメンテナンス
- 従業員の身だしなみや言葉遣いを正しい状態で維持する
効果もあります。
どちらもお客様にお店や商品を気持ちよく使ってもらうには欠かせない効果です。チェックの習慣を身につける事は、お店の設備やサービスを良い状態に保つ事が出来るという効果もあります。
クレームを適切に受け止める環境を作ろう
サイレントクレーマーが生まれやすい原因の一つに、お店に対する要望やクレームが伝えにくいというものがあります。
- お店の人と話しにくい
- お店に要望を伝えても、改善してくれない事が多い
といった事があると、自然とお客様はサイレントクレーマーに変化してしまうのです。
これを避ける為に、要望やクレームを適切に受け止められる環境を作らなくてはなりません。
- 意見箱等、直接でなくても要望を伝えられる手段を作る
- 何か困った事があったら、気軽に声をかけて欲しい旨を伝える
- 要望やクレームをもらったら、出来るだけ早く対応・改善する
等、要望やクレームを伝えやすい環境を整えてみましょう。声掛けをするだけでも、かなり違います。
お店や立場によってできる事に限界がありますが、その中だけでも、お客様の要望や不満を受け止める姿勢を作りましょう。それだけでも、サイレントクレーマーを減らす事ができます。
サイレントクレーマーは怖い存在。普段から予防策を考えておこう
サイレントクレーマーは問題の発覚を遠ざけ、お店の評価を下げる怖い存在です。対処に限界はありますが、ある程度であれば防止できます。サイレントクレーマーに対して、必要以上怖がらずに、適切な対処ができるようになりましょう。
サイレントクレーマーの対処法は、サイレントクレーマーを減らすだけでなく、他のお客様にも良い影響を与えてくれますから、対処法は定期的に実行してみて下さい。