外で食事をする時、一緒にいる人が気配り上手だと、相手を奥側の席や見晴らしの良い席に通してくれますよね。気を遣ってもらえると、恐縮するやら、嬉しいやら。
ところが、これはプライベートでの話。ビジネスでは、どんな場面でも、席順が決まっています。
新人の頃は、最後に空いている席に座ることが多いので、あまり困らないかもしれません。しかし、だんだん後輩や部下ができるようになると、自ら席を選ぶことが増えてきます。
今回は、ビジネスで役立つ、様々な場面の席順や気をつけたいマナーについて紹介します。いざという時に、恥ずかしい思いをしないよう、ここでしっかり覚えておきましょう。
Contents
席順が決まっているのは、上席者に快適な空間を過ごしていただくため
ビジネスでは、上下関係が席順にはっきりと表れます。席には、上座と下座があり、会議室やエレベーター、タクシーなど、あらゆるところに存在します。
- 上座
- 目上の人(お客様、役職が上、年上など)
- 下座
- 目下の人(おもてなしをする側、役職が下、年下など)
席順の基本的なルールとして、入口から最も遠い席が上座、最も近い席が下座となります。これは、入口から遠い席が居心地の良い場所とされ、上席者にその空間を過ごしてもらうという、おもてなしの表れです。下座はその逆で、おもてなしをする側や役職が下の人が座る場所となります。
ビジネスでよくある場面の席順8選
ビジネスでよく遭遇する席順と気をつけたいマナーについて紹介します。躊躇わず、スマートに席につけるようにしましょう。
会議室1. (社外と社内の対面)
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原則として、お客様が上座の席に座ります。お茶を出す順番も、上座からです。
会議室2.
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議長席がある場合は、議長の横には座らないようにします。
会議資料やお茶は、上座から順番に配ります。会議室を退出する時は、上座から退出するのが一般的ということも覚えておきましょう。
応接室
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ソファーの方が格上なので、お客様に座ってもらいます。ソファーはあらかじめ上座の方に設置しておきます。また、部屋に窓がある場合、景色の見える席が上座になります。
エレベーター
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エレベーターの時は、操作盤から遠い位置が上座、操作盤の前が下座となります。
操作盤が両側についている場合は、「左上右下(さじょううげ)」に考え方に則って、エレベーターに入っ左奥が上座、右側の操作盤前が下座です。
左側の操作盤前に行ってしまったとしても、配慮ができていれば問題ありません。慌てて操作盤を移動するなどして、他の人の進路を妨害しないようにしましょう。
また、エレベーターは誰も乗っていない時と、既に他の人が乗っていた時とでは乗る順番が変わります。
- エレベーターに誰も乗っていない時
- 下座の人が先に乗り、操作盤の前にて「開」のボタンを押して上座の人から順番に乗ってもらいます。
下座の人は、エレベーター近くに待機するようにしましょう。もし、先に乗るべきところを出遅れてしまった時は、最後に乗り、操作盤の前にいる人に「変わります」と声をかけて入れ替わりましょう。エレベーター内が狭く移動できない場合は、「すみません、よろしくお願いします」と声をかけましょう。 - 先に乗る時は、「お先に失礼します」と一声かけてから乗る
- 上席者に「奥の方へどうぞ」と促す
- 階ボタンや「開」「閉」のボタンを操作する
- 他の人が乗ってきた時は、何階かを尋ねて代わりにボタンを押す
- 降りる時は、先に降りてもらい、「お降りになって、左側です」など、進行方向を案内する
- エレベーターに、既に他の人が乗っていた時
- 上座の人から順番に乗ってもらい、可能な範囲で上座の位置を案内します。エレベーター前の「上」「下」のボタンや入口ドアを押さえておき、上座の人から乗ってもらうように促します。下座の人は最後に乗るようにします。
- 「上」「下」のボタンやドアを押さえながら、「どうぞ」と促す
- 同乗者に操作盤を対応してもらったらお礼を述べる
- 他の階で降りる人がいれば、いったん降りるなど道を開けるようにする
エスカレーター・階段
エスカレーターや階段には上座、下座はありませんが、案内する側は、相手よりも低い位置で案内します。
- 上り
- お客様や上司に先に進んでもらいます。また、降りた後に迷わないように、進路方向を案内します。
- 下り
- 案内者が先に進みます。
タクシー
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後部座席に三人で座る場合、真ん中が一番下座になります。
ただし、上座の人が足の悪い人だったり、着物姿やスカートを履いている人にとっては、入口から奥の「1」の後部座席までの移動は大変なことも。その場合は、「1」に近い右側のドアを開けて案内するか、「手前の方がよろしいですか?」と本人の意向を確認するようにしましょう。
自家用車
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自家用車の場合は、助手席が上座です。後部座席に三人座る場合は、タクシーと同様、真ん中が一番下座になり、これは左ハンドルであっても同じです。
ただし、後ろの方が良いという人もいるので、乗る前に意向を確認しましょう。
新幹線(3人掛けシート)
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進行方向を向いている席が上座となり、窓際、通路側、真ん中の順番になります。
ただし、頻繁に電話がかかってくる人は通路側の方が好ましい場合もあるので、「窓際でよろしいですか?」と確認してから座るようにしましょう。
席を案内する際は、おもてなしの心と気遣いを忘れずに
ちょっとしたことですが、席順は知っておくと安心感につながります。とっさの時でも、気持ちや動作が動揺することなく、おもてなしする相手をスムーズに迎え入れることができます。
また、席順のマナーを知った上での臨機応変さも必要です。相手に心地よい空間を過ごしてもらうためには、時には下座の方が適している場合もあります。場の状況を見て、相手への気遣いも忘れないようにしましょう。