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社会保険加入の義務は試用期間中も発生する!正しい知識を身につけよう

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社会保険は健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などの公的保険制度の総称で、社会保険の適用事業所で働く労働者が加入することが義務付けられています。
新しい職場で働き始める時、試用期間中の社会保険加入について説明を受けることがありますが、正しい知識を身につけておかなくてはトラブルの元になりかねません。
そこで今回は「社会保険制度の基本」や「試用期間中の社会保険の加入について」の正しい知識を身につけていきましょう。

事業所にも労働者にも加入条件がある!社会保険制度の基本とは

社会保険制度とは健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などの公的保険制度の総称であり、条件を満たす労働者に加入が義務付けられています。
まずは、加入条件の基礎知識や、未加入の場合に発生する問題を詳しくご紹介していきます。

社会保険の適用事業所で働く労働者が対象

社会保険に加入する必要があるのは社会保険適用事務所で働く労働者が対象となります。
社会保険の適用事務所は事業所の規模や状況によって「強制適用事務所」と「任意適用事務所」の2種類あるので、勤務する事業所のケースを思い浮かべながらそれぞれの条件を見ていきましょう。

強制適用事務所
  • 常に5人以上の従業員を使用する適用業種に該当する事業所
  • 常に1人以上の従業員を使用する国や地方公共団体
  • 常に1人以上の従業員を使用する法人
任意適用事務所
  • 従業員の2分の1以上が社会保険の適用事業所となることに同意した上で、厚生労働大臣の認可を受けた場合。
就職した会社がこれらの条件を満たす社会保険の適用事務所でなければ、社内の状況に変化がない限り社会保険に加入できないということになります。

労働者の加入条件とは

社会保険の適用事務所で働く労働者が加入条件を満たす場合は加入の義務が発生するので、その条件を見ていきましょう。

社会保険加入の義務が発生する基本条件
  • 社会保険の適用事務所で働く正社員
  • 所定労働時間および所定労働日数が正社員の4分の3以上のパートタイマー
  • 2ヶ月以内の短期契約以降も継続雇用されることが決まった労働者
年齢の条件
  • 70歳を超えると…健康保険は継続して加入する義務がありますが、厚生年金保険の加入は任意になります。
  • 75歳を超えると…健康保険の加入義務が消失し、後期高齢者医療制度の対象になります。
これらの条件を満たす労働者は社会保険に加入することが義務付けられていますが、保険料の一部を事業所が負担することもあり、違法とわかっていても加入逃れをする事業所は存在します。
社会保険の加入条件を満たす労働者が厚生年金に加入していないと、老後に支給される年金が少なくなったり自分で国民年金保険料を支払う必要が出てくるので、労働者は自分の身を守るためにもきちんと加入条件を頭に入れておくことが大切です。

試用期間は加入しなくていいの?雇用形態で加入の要否が決まる

加入条件をチェックするとパート・アルバイトや短期契約の労働者の場合は社会保険加入義務が発生しないこともありますが、試用期間中の労働者についてのルールと、社会保険加入の義務について詳しく見ていきましょう。

試用期間は会社独自のルール

求人情報を見比べると採用から試用期間を経て本採用になるケースと、試用期間がなくそのまま採用になるケースがありますし、試用期間がある場合はその長さもさまざまです。
なぜこの違いが生まれるかというと、試用期間の長さについては法律に定められておらず会社独自のルールが適用されているためです。

なお、労働基準法によると試用期間開始から14日以内の労働者に対して解雇予告は不要と定められていますが、それ以降は正規雇用の労働者と同様の措置が必要になります。

試用期間は社会保険の加入条件に関わらない

会社が採用者に対して試用期間を設けるのは、実際に働きながら業務に対する姿勢やコミュニケーション能力を見極めるためですが、本採用を前提として設けられているので社会保険の加入条件には関わりません。
社会保険の加入条件はあくまでも先ほど見てきた条件から判断するので、試用期間であっても正社員として採用されたなら社会保険に加入しなくてはなりません。

また、パート・アルバイトで試用期間が設けられているの場合も、労働日数および労働時間が正社員の4分の3以上の契約であれば、同じく社会保険加入の義務が発生するということです。

試用期間に社会保険へ加入させてくれないことも…その理由とは

ここまで見てきた通り、試用期間中であっても社会保険の加入は義務付けられていますが、採用の際の面談で試用期間中は社会保険に加入できない旨を説明されることがあるかもしれません。
会社側にとっても条件を満たす労働者を社会保険に加入させる義務があるにもかかわらず、どうして加入させてくれないことがあるのでしょうか?
その理由には加入と脱退の手続きは会社側がしなくてはならないということが関係しているようです。
試用期間中は会社側も労働者側も継続して働いていけるかどうかを見極めることになるので、労働者にすぐに辞められてしまった場合の社会保険の加入と脱退の手間と時間を省くために「加入させない」という流れが生まれてしまったのです。

そのような理由から、会社側が試用期間中の社会保険加入を延期しているケースは実際に存在しますし、働いてきた会社を退職する際に「試用期間中は社会保険に入っていなかった」という事実が判明することもあるのです。

加入条件を満たしているのに未加入なら…加入を求めてできること

自分の働き方が加入条件を満たしているのにもかかわらず未加入のままになっている場合は、加入を求めて自ら行動する必要が出てきます。具体的な方法について順を追って見ていきましょう。

1.まずは会社に相談する
まずは上司や、総務部などの保険や賃金に関する窓口へ相談し、社会保険への加入を依頼しましょう。
2.会社が対応してくれない場合は行政へ相談
会社が対応してくれない場合は行政へ相談する必要があります。社会保険は年金事務所へ相談しましょう。
年金事務所にて「被保険者資格の確認請求」の手続きをすると年金保険事務所が加入資格の調査をし、加入資格を有すると認められた場合は会社に加入手続きの指導が入ることになります。
また、退職時に「試用期間中の社会保険未加入」の事実が判明した場合も同様の手順で相談しましょう。

社会険は生活に必要な制度。労働者も正しい知識を身につけよう

社会保険は、今の健康を維持することから将来年金を受け取ることまで、生活に大きくかかわる必要不可欠な制度です。
社会保険加入の要否は働く会社の状況や労働者それぞれの働き方によって決まりますし、条件を満たす場合は加入の義務が発生するため自分の状況をきちんと把握することが大切です。
また、会社独自のルールから試用期間中の社会保険加入を怠っていることもあるので、会社の対応を待つだけでなく労働者側も正しい知識を身につけ、自分の身を守れるようにしていきましょう!

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