新入社員が入社すると、自分たちも初心に帰ったような、フレッシュな雰囲気に包まれます。
一方で、新入社員との会話に戸惑ったり、隣の部署の新入社員のトンデモネタが噂で舞い込んできたりして、その世代にジェネレーションギャップを感じることも少なくありません。
ジェネレーションギャップ自体が悪いわけではありませんが、会社に根づいてしまっている古い価値観や考え方には、注意が必要です。
昨今の競争の激しい中では、時代の波に乗り遅れてしまわないよう、場合によっては新しい価値観を取り入れていった方が良いこともあります。
ここでは、職場で感じるジェネレーションギャップと、その対処方法について紹介します。
Contents
職場のあるある!ジェネレーションギャップを感じる瞬間
幅広い年齢層が集まる会社では、ジェネレーションギャップを感じることは当たり前のことです。ここでは、新入社員に対して感じるジェネレーションギャップの瞬間をご紹介します。
遅刻や欠勤の連絡がメールやラインで送られてくる
ひと昔前までは、電話は一番便利な連絡ツールとして扱われていました。しかし、インターネットが当たり前の世代からすると、メールやラインは手軽な一方で、場所を選ぶ電話は敬遠される連絡ツールになっています。
電話が当たり前の時代で育った世代からすると、遅刻や欠勤連絡をメールでしてくることに違和感をもつようです。
誰に対しても、ため口交じりで話しかけてくる
敬語は目上の人に対しての敬意の表れ。でも最近は、親しみの意味を込めて、あえてフランクにため口交じりで話す傾向があります。
おしゃれをしすぎ。メイクやネイル、ヘアカラーが派手
個性を大事にしようとする傾向がある新しい世代は、化粧やネイルも個性的な人が多く、中には企業イメージに合わない場合も。
おしゃれと身だしなみの基準を設けていない企業では、毎年春に、個性的な新入社員を見た先輩たちがザワザワするようです。
ちょっとした時に、お礼の一言がない
「え。今、お礼言うところでしょ?」と、お礼言われ待ちになる先輩たち。今ではOJT制度やメンター制度を導入している企業も多く、それ以前の状態を知らない新人にとっては、先輩や上司が後輩指導をするのは当たり前になっています。
上司の営業同行や先輩のちょっとしたフォローにも、こちらからお礼を求めないと気がつかない新人に、モヤモヤする上司・先輩は多いようです。
周りからの指示がないと行動しない
以前は、社員は運命共同体のような団結力のようなものがあり、自チームのメンバーが忙しそうにしていたら、みんなでフォローしないといけない雰囲気がありました。
最近は、言われたことはきちんとこなしますが、それ以上のことは求められないと行動しない傾向があります。
周りが忙しそうにしていても、帰社できる
例えば、上司が残って仕事をしていたら、部下たちは帰りづらい思いをしていましたが、最近の新入社員は、たとえ周りが忙しくても帰りづらいということがありません。
空気を読むという日本ならではの言葉は、もはや死語になりつつあります。
ちょっとした注意にもすぐ凹む、豆腐メンタル
度の超えた厳しい叱責はパワハラとして捉えられる時世ですが、学校教育で褒められて伸びてきた新人たちは、怒られ慣れていません。そのため、些細なミスを上司から指摘されるだけでも落ち込んでしまう傾向があります。
会社の行事や飲み会を普通に断る
日本の会社には、社内行事は親睦を深めるための業務の延長として捉える文化がありました。今は、会社の行事は参加して当たり前の時代から、公私の区別をはっきりさせる時代に。
いつの時代にも起こるジェネレーションギャップ。各世代の特徴
会社に世代を超えた人たちが集まっている限り、ジェネレーションギャップは起こります。まずは、それぞれが生きてきた時代を知りましょう。
団塊世代~新人類(1947~1964年生まれ)
団塊世代は高度経済成長の中、市場開拓に向けて気概と根性で乗り切ってきた世代です。企業が急成長していく中、一生懸命働けば報われるという実感の強い世代ともいえます。
新人類は企業が成熟していく中で、量的拡大を求められた時代として、段取り良く仕事をこなしていくことが良しとされた世代です。
団塊世代と新人類に共通するのは、仕事が膨大にあった世代ということです。「俺たちの頃は朝まで徹夜は当たり前だった」と、遠い目をする年配の方も少なくありません。
- 一生懸命働くのが当たり前
- 仕事は会社から与えられるものという意識が強い
- 上下関係に厳しい
バブル世代(1965~1969年生まれ)
バブル景気の時期に就職した世代です。企業がこぞって大量採用を行った結果、空前の売り手市場に。学歴問わず求人募集の拡大が行われ、就職活動では引く手あまただった時代です。
会社では、新規事業の立ち上げに向けて新人にも新しい発想が求められ、若者が重宝された時代でもあります。
- 女性活躍の場が意識され始めた
- 消費に積極的
- 熾烈な管理職ポスト争い
氷河期世代(1970~1984年生まれ)
バブル経済が崩壊し、就職活動時には企業の倒産や大量リストラ、採用枠の大幅縮小が重なり、就職難に苦労した世代です。また、女性活躍の場がさらに進み、共働き世代が多くなったのもこの世代の特徴です。
- 消費に消極的
- 大企業に入っても危機感をもっている
- 自己研鑽に意欲的でキャリアアップの意識が強い
ゆとり世代(1987~2004年生まれ)
2002~2010年の学習指導要領に沿った「ゆとり教育」を受けて育った世代です。会社よりも自分を尊重し、就職する際は企業の年間休暇日数を基準にするなど、ワークライフバランスを重視する傾向があります。
- 安定志向
- 上下関係にドライ
- ストレスに弱い
さとり世代(2005年生まれ~)
さとり世代は、「ゆとり教育」が終わった後の義務教育を受けている世代です。インターネット活用が当たり前の環境で育ったため、情報に困ることがありません。
不景気の中で育ったさとり世代は「欲がない」と言われ、仕事に対してもハングリー精神や意欲をもっていないように受け取られます。また、社内でトラブルを抱えたらすぐに転職してしまう見切りの良さもあります。
- 冷静かつ合理的に考える
- ゆとり世代よりも安定志向
- コミュニケーションをSNSに頼ってしまう
ジェネレーションギャップに悩むのは、脳が老化している証拠?
成人の脳は人体の約25%のエネルギーを使っているといわれています。そのため、脳はなるべくエネルギーを使わないように、新しいことを嫌う性質があります。
私たちがジェネレーションギャップに対して違和感をもつことも、新しい価値観を受け入れたくない脳がもたらす、思考停止状態ともいえます。
ジェネレーションギャップを許容するために効果的な対処法
ここでは、新しい価値観を取り入れていくための、効果的な対処法を紹介します。
置かれていた環境が違うという、前提を理解する
前述の各世代の特徴のとおり、生まれた時代や取り巻く環境が違うと、考え方や価値観にも違いが表れます。いざという時に、各世代の特徴を知っておくだけでも、違和感のインパクトは違います。
新しい世代を、異国の地から来た外国人と同等に扱う
外国の文化について知ったとき、「へ~。この国ではそうなんだ~」と、新鮮に思いませんか?自分と同じ環境で育ったと思わなければ、その違いを楽しめるのではないでしょうか。
自分の世代の時も、同じような思いをしていないか振り返る
あなたが入社したとき、スムーズに会社に馴染むことができたでしょうか?どの世代でも、上司に何かしら注意されたと思いますし、「最近の若い者はなってない」と、思われていたはずです。
そんな指導の下で育ったので、私も新人とのコミュニケーションに違和感を抱くことがありますが、これは古い価値観なのかも?と疑うようにしています。
今後はジェネレーションギャップからカントリーギャップに
グローバル社会といわれて久しい今日では、国内で働く外国人労働者は増えています。今後、外国人労働者受け入れ拡大により、価値観や考え方の違いは世代から国へとシフトします。
例えば、「仕事よりも家族やプライベートを優先する」という価値観は東南アジアでは当たり前のことですし、化粧やネイルなど、自分を表現する方法も多様です。
今後、新たなギャップが生まれることに備えて、まずは国内で世代を超えた交流を深め、自分と異なる価値観・考え方も尊重できるようにしておきたいですね。