上司に転職や退職の相談をすると、大抵は説得され、引き留められます。なぜならば、それが、上司の仕事だからです。
実際、いざ上司の前では、何をどう話せばいいのか、憂鬱になる人も多いはず。
「相談」には、「判断に迷う事案を上司に意思決定してもらう」という言葉のイメージがありますが、転職や退職に限っては、上司に判断を仰いではいけません。
退職の意向を伝える際の「相談」は、「念のための確認」という意味も込めたお伺いであり、この相談で目指すべきは、円満退社もしくは今の職場に留まった時の環境改善です。
ここでは、上司に転職や退職について相談するときに、事前に考えておきたいことをまとめています。
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部下に転職相談をされたら。会社の方針は説得・慰留させること
管理者の適性の一つに、部下育成力があります。上司は、部下が最高のパフォーマンスを発揮できるように、仕事のモチベーションが下がっている部下や悩みを抱えている部下の話を聴き、動機づけしていくことを会社から期待されています。
そしてもし、部下から転職や退職の相談を受けた時には、「説得する・引き留める」というのが会社からの方針です。
説得に長けている上司の前で心に響くことを言われてしまったら、転職の決意が揺らいでしまうかもしれない、ということも頭に入れておきましょう。
上司への相談機会を設定する前に、やってはいけないこと
初めての転職では、退職の相談ステップが分からない人も多いはず。ここでは、転職や退職を相談する前に、知っておきたいことをまとめています。
相談する相手を間違わない!転職・退職の話は、直属の上司に
自身の進退に関わる話は、たとえ、職場に話しやすい先輩が居ても、上司の上司との仕事のやり取りが多くとも、まずは直属の上司に相談するのがマナーです。
後から、相談の経緯が上司の耳に入ることもありますし、感受性の高い人であればその状況を「自分は信頼されていない」という解釈をする可能性があります。
最終日まで気持ちよく働くためにも、会社のヒエラルキー(上下関係)は意識しましょう。
「辞めます!以上!」はNG。双方の合意を得るスタンスで
円満退社を心がけるためには、退職届と退職願の違いを知っておく必要があります。
- 退職届
- 労働者の一方的な意思表示によって、労働契約を解除できる。申し出から14日過ぎれば、撤回することができない、厳格な書類です。
- 退職願
- 退職を願い出ることで、会社からとの労働契約解除の合意を求める書類です。
たった一文字違いですが、その意味を知っておかないと、上司や会社から困惑されることになります。
最近では、退職届と退職願を同様に扱う企業もあるので、勤め先での扱いを確認しておきたいところですが、転職や退職の相談場面では、退職願いを出すことが一般的と覚えておきましょう。
転職予定日間際に相談しない。引継ぎを意識し余裕をもって
今の職場に不満があったり、転職先がとても魅力的だったりする場合では、今すぐ辞めたいと思う人もいるでしょう。
上記の通り、厳密に言えば、14日前に退職届を提出すれば法律上は退職することができます。
その反面、業務の引き継ぎの時間が十分にとれないなど、今の職場やメンバーに迷惑がかることがあります。
引き留められる前提で相談し、転職理由も明確にしておこう
転職の相談では、職場が余剰人員で溢れかえっているなど、よほどのことがない限りは引き留められるという前提で臨みましょう。
気持ちが揺らがないためにも、転職理由をきちんと考えておくことが大事です。
ここでは、事前に心づもっておきたいことを紹介します。
転職理由は必ず聞かれる。ポジティブワードを持っておく
転職の意向を伝えると、転職理由は必ず聞かれます。言いたくない場合は、一身上の都合でもOKですが、退職まで気持ちよく過ごすためにも、何かポジティブな転職理由を持っておきましょう。
スキルアップ、キャリアアップ、異業種への挑戦など、思わず上司も応援したくなるような理由を準備しておきましょう。
職場環境の問題が改善されたら、慰留するか考えてみる
例えば、特定の人間関係や、今の部署が性に合わないなどの転職理由だった場合、上司から環境改善の提案が出ることがあります。
その場合、慰留するかどうか、自問しておいた方が、話がスムーズにいきます。
転職に踏み切れないときは、その原因を見つけてすっきりしよう
転職に迷う人は、転職を決めきれない何かを抱えています。
今の仕事のやりがいや給与条件、職場の人間関係に満足しているということもあるでしょう。
決めきれない何かがはっきりしない人におすすめなのが、働く上で自分が職場に求めること、こだわっていることをリストアップすることです。
もし転職自体に悩んだら。転職活動をする前に上司に相談を
転職をすべきか悩んでいる状態のときは、転職活動を始める前に、上司に相談してみましょう。
一度出た内定を辞退すると、転職予定だった先にも迷惑をかけることになります。また、一度退職を検討したという社内情報が、今後の評価に影響しないとは言い切れません。
多忙な会社だったので、もちろん上司も忙しく、十分な意思疎通がとれないまま退職最終日を迎えてしまったのですが、最終日に上司と話をしていく中で、自分が会社に対して抱いていた不信感に誤解があったことに気づいたそうです。
次の転職先も決まってしまっていたので、今さら退職を辞めたいとも言えず、もっと早く上司に相談しておけば良かったと、その時は後悔していました。
各方面への考慮や配慮が必要なだけに、学生時代の就職活動よりも、転職活動の方がエネルギーがいるかもしれません。
気持ち良く次のステージに向かうためにも、良いタイミングで、上司に相談できるといいですよね。