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「当該」と「該当」の違いとは?ビジネスシーンでよく使われる

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日本語には書き方や読み方、意味などが似ている言葉がたくさんありますが、似ているようで正反対の意味を持っていたり微妙なニュアンスの違いがあるので正しく使い分ける必要があります。
また、二語以上の漢字を組み合わせた言葉を熟語と言いますが、同じ漢字を使っていても意味が異なる場合も少なくありません。
そこで今回は、同じ漢字を使った熟語の「当該」と「該当」の違いと正しい使い方について詳しくご紹介していきます。

「当該」と「該当」は似ているようで使い方も意味も異なる

「当該」と「該当」はどちらもビジネスシーンでよく使われる言葉ですが使い方や意味は異なります。まずは二つの言葉の違いを見比べていきましょう。

読み方の違い
  • 「当該」…とうがい
  • 「該当」…がいとう
読み方は漢字の表記同様に、それぞれの感じの音読みを入れ替えた読み方になります。
意味の違い
  • 「当該」…話題になっている事柄に直接関係があることを指す、そのもの
  • 「該当」…条件に当てはまること
意味を見比べてみると「当該」は話題になっている事柄に直接関係があるものごとを指し、「そのもの」に使われるのに対し、「該当」は条件に当てはまることという意味を持ちます。
使い方の違い
  • 「当該」…後ろにそのまま名詞をつけて「連体詞」として使う
  • 「該当」…後ろに「する」をつけて「動詞」として使ったり、後ろにそのまま名詞をつけて「連体詞」として使う
「当該」は後ろにそのまま名詞をつける連体詞としてのみ使いますが、「該当」は後ろに「する」をつけて動詞としても言い換えられます。

かしこまった場面で見かける「当該」使用例と使い方のポイント

「当該」という言葉の意味は知っていても、日常会話に頻繁に出てくる言葉でありません。どのような場面で使われることが多いのか、その特徴や使う際の注意点を詳しく見ていきましょう。

「当該」の使用シーンと使用例

「当該」は、ビジネスシーンの報告書や官公庁が発行する公的な文書、スポーツのルールブックなどのかしこまった文書で使われる言葉です。シーン毎の具体的な使用例をチェックしていきましょう。

ビジネスシーンでの使用例
当該地域・当該企業・当該事業・当該年度・当該機関・当該取引・当該金額
官公庁が発行する公的な文書での使用例
当該案件・当該官庁・当該職員
スポーツのルールブックでの使用例
当該選手・当該試合
ビジネスシーンの報告書や国や自治体、団体などの発行する公的な文書の中で、このような「当該」を使った言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか?
また、スポーツのルールブックなどの公式な資料にも「当該選手」や「当該試合」などと使われることがあります。
「当該」を使った例文
  • なお、当該商品の品質に問題はありません。
  • 以上が昨年度のもので、当該年度のデータについてはこちらになります。
  • 違反を犯した当該選手にはペナルティが科せられる。
官公庁や企業、組織が発表するかしこまった文書の中では、前述を補足する場面で「当該」が使われるケースが多いでしょう。

「当該」の使い方のポイント

先ほど見てきた通り「当該」は話題になっている事柄に直接関係があることを指すため、いきなり「当該」を使うことはできません。
前文で触れた内容に当てはまる事柄を指すために「当該」+「名詞」で表現します。
「当該」は、ビジネスシーンの中でも改まった報告書や政府の発表資料などのかしこまった文章で使われる言葉であり、「この商品」よりも「当該商品」と表記した方がスマートにまとめられるのです。

しかし反対に、話し言葉としては少し不自然で堅苦しい表現になってしまうので、会話の中で自然に表現するためには「その」や「例の」などの言葉に置き換えましょう。

話し言葉としても使える「該当」使用例と使い方のポイント

「当該」はかしこまった文書の中で使われていましたが、「該当」はどのような使い方ができるのでしょうか?使用例や使い方のポイントをチェックしていきましょう。

「該当」の使用例

「該当」は、後ろに「する」などをつけて動詞として使えますし、後ろにそのまま「名詞」をつけて話し言葉としても使える表現です。

後ろに「する」などをつけるパターン
  • 該当する
  • 該当した
  • 該当しない
「該当」の後ろに「する」や「しない」をつけると、「当てはまる」「当てはまらない」という意味を持つ動詞として使えます。
後ろにそのまま「名詞」をつけるパターン
  • 該当者
  • 該当物件
  • 該当資料
該当者など、「該当」の後ろにそのまま「名詞」をつけるパターンもありますが、これは「該当」と「者」の間に「する」などの動詞が省略された形になります。
「該当」を使った例文
  • 下記の条件に該当する場合はご利用いただけます。
  • アンケートの結果、50%の人が該当した。
  • この条件には該当しない。
  • 該当者はいませんでした。
「該当」は文書にも使えますし、ビジネスシーンなどの会話の中にも自然に使える表現です。

「該当」の使い方のポイント

「当該」は後ろに「する」をつける使い方はできませんが、「該当」は後ろに「する」をつけて「当てはまる(物事)」を指す動詞として使えます。
先ほどの例文で見てきたように後ろにそのまま「名詞」をつけることもできますが、会話の中では条件に当てはまることを表すために「する」などの動詞を使って表現した方がよりわかりやすくなるでしょう。

また、「該当物件はこちらです」というよりも「該当する物件はこちらです」と言い換えた方が聞き取りやすくもなります。

「当該」と「該当」は似ているからこそ、正しく使い分けよう

ビジネスシーンや公的な文書などのかしこまった場面にも使われる「当該」と「該当」は、漢字も読み方も前後をひっくり返したとてもよく似た言葉です。
しかし、似ているからこそ間違った意味を覚えたり使い方を混同してしまうと、言いたいことは伝えられても社会人としての品位を欠いたり信頼を失う恐れがありますし、意味や使い方をきちんと理解して正しく使い分けることが大切です。
ビジネスマンなら基本的な常識として正しく使い分け、相手へわかりやすく伝えるためにシーンに応じて適した言葉を選べるように意識を高めていきましょう。

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