何らかの理由で会社を辞めなくてはいけなくなった時、退職に関連したトラブルが起きる事もあります。
『立つ鳥跡を濁さず』なんて言葉通り、退職はスムーズに終わらせたいものですね。退職時のトラブルを防ぐには、予防策をしっかり行っておく事が大切です。
しかし、会社の状態や自分が辞める理由によっては、退職トラブルが避けられない場合もあります。この様な場合の備えとして、退職トラブルの相談窓口を知っておく事も大切です。
起きて欲しくない退職トラブルを未然に防ぐ方法と、いざという時に相談できる相談窓口を紹介します。退職を考えている人は参考にして下さい。
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退職トラブルには防げるケースも。未然に防ぐ方法を知っておこう
退職トラブルには色々なケースがあります。その中には、事前にしっかり準備をしておけば防ぐ事ができるトラブルもあるのです。少しでもトラブルが起きる可能性を小さくする為にも、以下の方法に取り組みましょう。
就業規則や労働契約を確認
退職を考えた際には、
- 就業規則
- 労働契約
をチェックして下さい。
特に、
- 退職に関する内容
- 給与に関する内容
を調べておきましょう。
就業規則の中には、退職時に必要な手続きや手続きをする期間等が記載されています。退職の準備や相談は、この内容に沿いながら行うようにしましょう。
実際、多くの企業が就業規則に退職したい旨を伝える予告期間を設けています。企業によって日数に違いがありますが『退職したい月の○カ月前までに伝える事』といった形で記載しています。
こうしたルールは退職時のトラブルを避ける為の処置でもあります。退職のスケジュールは就業規則に沿う形で立てるようにして下さい。
労働契約は退職時の給与が関連しています。退職の旨を企業に伝えた場合、最低でも2週間後には退職する事ができるとされています。しかし、給与のもらい方によっては、もっと早くに伝える必要があるのです。
- 期間によって報酬(給与)を定めた場合(月給制)
- 六カ月以上の期間によって報酬を定めた場合
は、それぞれ退職の旨を伝える期間が決まっています。
それぞれ、
- 月給制の場合 当月の前半
- 六カ月以上の期間によって報酬を定めた場合 3か月以上前
に退職の旨を伝えなくてはならないのです。
就業規則に退職の準備期間が設けられているのは、この法律を守る為でもあります。どちらもしっかりチェックしておきましょう。
退職の旨を上司に相談し、スケジュールを決めよう
退職は自分一人で決めてはいけません。退職したいと考えた場合は、直属の上司と退職について相談しましょう。
退職を考えている理由によっては、上司との相談で解決できる場合もあります。
まずは
- 退職したいという意思
- それを持つに至った理由
を説明しましょう。
退職の意思を伝え、それを認めてもらえた場合は、退職に向けてスケジュールを作っていきます。
退職は届を出してすぐにできる訳ではありません。
- 業務の引継ぎ
- 退職の手続き
等、時間がかかる作業もたくさんあります。
退職時のトラブルを起こさないようにするには、こうした作業を余裕ある状態で行う事が大切です。退職スケジュールは、時間の余裕を持った状態で計画するようにしましょう。
退職届を渡す事で、トラブルを防ぐ
就業規則で決められている場合もありますが、退職の意思を伝える際は退職届を作成しましょう。文章として残し、渡す事で言った・言わないの水掛け論を防ぐ事ができます。
また、
- セクハラやパワハラを受けた関係で、上司等に相談できない
- 何度か退職の旨を伝えたが、受け取ってもらえない
という場合でも、退職届を使えば上手く退職したい旨を伝える事ができます。
郵便には内容証明郵便というサービスがあります。
これは、郵便局から送った郵便物の
- いつ
- 誰が
- 誰宛てに
- どこの郵便局から
- どんな内容の郵便物を送ったのか
といった事を証明してくれるサービスです。
これを使えば企業が何を言おうと郵便局が退職届を送った事を証明してくれます。退職届には退職の旨を明確にし、それがあやふやになる事で起こる退職トラブルを防止する効果があるのです。必ず作成しましょう。
退職したいのに、退職できない!そんな時に頼ってほしい相談窓口
退職したいのに退職できない、企業がさせてくれない。どんなに気を付けていても、こんなトラブルに巻き込まれてしまう事はあります。
また、退職後、給与の未払い等の問題に直面する場合もあるでしょう。その様な場合は、以下の相談窓口に相談してみて下さい。
労働基準監督署
労働基準監督署では、総合労働相談窓口を設けています。
- セクハラ
- パワハラ
- マタハラ
- 残業代の未払い
等、労働に関する様々な問題の相談を受け付けてくれているのです。
当然、退職トラブルについても相談を受け付けてくれています。相談の受付だけでなく、
- 助言
- 企業に対する指導
- 必要手続きや相談機関の紹介
等、幅広い対応をしてくれます。
退職トラブルが起きてしまったけど、何をしたらいいか分からないという状態になったら、まずは労働基準監督署へ足を運んでみましょう。
法テラス
日本司法支援センター、法テラスでは法的トラブルの相談を受け付けています。退職トラブル等、労働基準法に関連した相談も受け付けているのです。
問い合わせ内容によって
- 法律の制度紹介
- 相談・支援団体の紹介
等もしてくれるので、相談だけでなく自分が頼れる法的な手段を知る事ができるのです。
退職トラブルの内容が法的なものであれば、法テラスに相談し、どうしたらいいか指示を仰ぐと良いアドバイスを受ける事ができます。法的なトラブルが起きた時は、法テラスを活用しましょう。
市役所等の法律相談
市役所等の公的な機関では、無料の法律相談を受け付けている時があります。こうした無料相談を利用するのも良い方法です。
事前予約で定員が決まっている所が多いので、無料相談を使いたい場合は市のお知らせ等をチェックしておきましょう。
労働問題等の解決に力を入れている市であれば、
- 労働問題専門の相談コーナー
- 働く人のメンタルヘルス相談窓口
- ワーキングマザーの為の相談窓口
等を設けている場合もあります。
- 退職トラブルが起きたけど、法的にどう対処したらいいか分からない
- 法律に詳しい人に相談したいけど、お金がない
という場合は、市の無料相談を活用してみましょう。
退職トラブルは対策をすれば未然に防げる。円満退職を目指そう
退職トラブルは対策をしっかりしていれば、ある程度は未然に防ぐ事が可能です。万が一の対策として、トラブルの相談窓口についても調べておきましょう。対策をしっかり行い、円満退職を目指して下さい。