もし、これから就職する会社の社長がワンマン社長だと知ってしまったら?
誰もが自分の行く末に不安を覚えるでしょう。入社辞退の選択をする人もいるかもしれません。
ワンマン社長は、大企業よりも、中小企業の経営者に多く存在します。ワンマン社長から逃れたいと思っても、日本の9割は中小企業。これから先も、私たちがワンマン社長に出会う確率は高いのです。
そう考えると、ワンマン社長を避けて生きるより、上手に付き合う方法を知った方が賢い選択かも?
今回は、ワンマン社長との付き合い方について紹介します。自分の勤める会社の社長がワンマンでお悩みの人も、是非参考にしてみてください。
うちの社長も、ワンマンかも?ワンマン社長の言動あるある5選
ワンマン社長は、「One man」の文字通り、何でも一人で仕切って決めてしまう社長のことです。経営はもちろん、人事・給与などの処遇、場合によっては一般社員が判断すべきことにも口を出し、仕事を任せてくれません。
ここでは、ワンマン社長の言動あるあるを5つ紹介します。
1.良くも悪くも、思い込みが激しく決めつけに走る
ワンマン社長と呼ばれる人は、心の中に独自解釈をする思い込みフィルターがあり、思い込んだら最後、周りがいくら訂正しようとしても聞き入れようとしません(そんな信念のようなものがあるからこそ、経営者として成功できるのかもしれませんが)。
ワンマン社長には、これまで生きてきた中で培われてきた、次のような価値観、経験則を抱えている傾向があります。
- 自分が正しい
- 自分は他の人より優れている
- 社員に優秀な人はいない
2.自分の言ったことを忘れる、二転三転する
ワンマン社長は、指示した内容を度々覆します。覆した理由をきちんと説明してもらえれば、こちらも納得できることもあるでしょうが、時には、「そんな事言った覚えはない」と開き直る社長もいます。
3.過去の成功体験だけを信じる
ワンマンになる社長には、これまで成功してきたという自負があります。だから、自信を持って、社員にもその成功体験を唱えます。
4.すぐ感情的になる、怒鳴る、大声をあげる
ワンマン社長は、社員が思い通りに動かない時、声を荒げて怒鳴るなど、威圧的な態度をとります。そんな感情をぶつけてくるような社長に反論する社員は中々いません。
5.自分が大切にしている美学がある
仕事へのスタンスや休暇の取り方、自分が大事だと思うことを社員に強要します。そのうえ、サービス残業や休日出勤をさせてまで、勉強会を開く会社も。
強いこだわりがあるからこそ、経営者として成功するのかもしれませんが、些末ことでは、データ資料の体裁に美しさを求めて何度もやり直しさせるなど、その美学に反する行動の社員に激高することも。
ワンマン社長との付き合い方。社長ではなく、自分の言動を変える
残念ながら、人の性格は変えられません。ワンマン社長は、本人が変わる意思がない限り、変わらないのです。
そのため、いかに自分の捉え方や行動を変えるかが、ワンマン社長とうまく付き合うコツになります。
ここでは、よくあるお悩みの解決法について紹介します。
1.社長に意見が通らない人は、通る人に言ってもらう
社長に自分の意見を聞き入れてもらえないという人は、他の聞き入れてもらえる人にお願いしましょう。ここで無駄な労力を使うよりも、意見の通る人にお願いして、仕事をスムーズに進めるのが得策です。
自分の意見だけ社長に意見が通らない理由は、経験知が足りないと思われている、言葉の運び方で否定的に取られるなどがあるかもしれません。経験値が足りないという理由が、例え10年以上経った出来事のことであっても、昨日の事のように覚えているのはワンマン社長によくあることです。
2.言うことが二転三転する社長には、その結論に至った背景を勝手に妄想する
話が二転三転する社長。自分の非を認めて弁解してくれたらまだ許せるのに、と思いませんか?
しかし、社長はこういう時こそ強気で発言してきます。であれば、
「あれから色々考えてみたんだけど、やっぱり、・・・」
と、自分で社長に言ってほしい前置きを心の中で唱えて社長の言葉を受け止めましょう。(実際、社長も、心の中ではそう唱えているかもしれませんし)
例えワンマンでも、社長は会社を存続させるために、経営者は常にビジネスについて考え続けているはずです。
考え続けているからこそ、結論に行き着くまでの中間地点(たとえ意思決定の場だったとしても)で社長と話した社員にとっては、言っていることがコロコロと変わっているように見えるのかもしれません。
言ったことを覚えていないという社長は、プライドの高さも相まって、前言撤回はできないのだと諦めましょう。
3.過去の成功体験に頼りきっている社長には、新しい成功体験を見せる!
成功してきた社長は、失敗を嫌うようになります。すると、「前はこれでうまくいった。」と、過去の成功法に頼ります。こういう場合、社長は何を言っても聞く耳をもってくれませんので、新しい成功体験を自分で作るしかありません。
うまくいったという事実があれば、ワンマン社長も徐々にその方法を受け入れるようになります。
といっても、任せてもらえないという場合もあるでしょうから、他の人に話を通してもらう、客観的なデータを見せて説明するなど、スモールステップから始めてアプローチしていきましょう。
4.すぐ感情的になる社長には、自分の心が折れないようにガードする
怒鳴るなど、感情を爆発させる社長には、平常心を保つことが心が折れないポイントです。他人の激しい感情に反応していると、自分が疲れてしまいます。それが毎日だったら・・・。会社に行くのも嫌になりますよね。そうならないよう、社長を冷静に観察して心をガードしてみましょう。
まず社長の言動を、重要なものと重要でないものに分けます。
- 重要なもの
- 問題やミスへのアドバイス、再発防止策など、今後に役立つこと
- 重要でないもの
- 繰り返しの発言、相手の人格を否定するような発言、嫌な言い方など、その問題と関係ないこと
今後に役立てられない、関係ない話の時は、顔は申し訳ないという表情を保ちつつ、社長の心が傷つくような鋭い言葉が自分の内面に入ってこないように、自分なりの工夫をします。
例えば、感情的な社長を観察する時は、感情や主観を交えず、客観的な言葉で表す場にします。
- 眉をしかめた
- 小鼻が動いた
- 口が右に曲がった
と具体的、客観的に表現します。
やってみると、感情や主観的な表現を使わないのは結構難しいので、適度な冷静さを保て、自分の気分を害さなくても大丈夫な壁を作れます。
5.社長が嫌いすぎる人は、考え方を変えてみる
社長が嫌いすぎるという人は、社長の立場に立って物事を見てみてはいかがでしょうか。
経営者は、社員に対し給与を支払うことで、自身の家族だけでなく自社の社員とその家族の生活を支えていることになります。それは、経営者になってみないと分からない、重圧があると考えられます。
それでもワンマン社長が無理という時は、転職を考えよう
もはや、ワンマン社長を生理的に受けつけない・・・という人は、転職をおすすめします。
また、明らかに、社長のワンマンぶりが顧客視点のない、信頼を損ねるようなものであったり、社員全員を公平に扱っていないものだったり、人権を侵害する扱いを受けているのだしたら、そんな会社は、早々にフェードアウトした方が賢明です。
そもそも、社員の意見を聞き入れない社長は、多角的に物事を考えられない人ですし、自社の社員を大事にできない会社は、永続的に社会に貢献することはできません。
自分に合った会社は、必ずどこかにありますから。
ワンマン社長とうまく付き合うためには、勝ち負けにこだわらない
自分の非を認めない社長や、発言が二転三転する社長、思いのままに感情を社員にぶつけてくる社長は、尊敬に値しないし、言い逃れできないようにとことん追及したい、発言を録音しておいて本人に聞かせてやりたいと思ってしまいます。
でも、同じ土俵に上がってはダメです。
冷静になって考えてみても、仕事の成果は、社長を打ち負かすことでは得られませんよね。例え、社長をこき下ろしたとしても、今より仕事がしやすくなることはまずないでしょうし、お客様が喜ぶことにもつながりません。
自分の与えられた仕事のミッションを成し遂げるために、例えワンマン社長が相手でも、上手に付き合っていける術を身につけていきましょう。